Alkiraは、グローバルなネットワークインフラおよび、ネットワークの一元管理ツールをAs a service(NaaS)として提供するソリューションである。Alkira自身がバックボーンネットワークを世界中に展開しており、複数のパブリッククラウドに広帯域・低遅延のネットワーク接続を提供することで、ハブとしての役割を果たす。ユーザー企業はAlkiraに接続さえすれば、自社のオンプレミスやクラウドのネットワークを包括的に管理することができるのだ。
というのもクラウドが複数あると、各クラウドネットワークの詳細な設定や設計方法は、各クラウドの専門の技術者に相談することになる。各環境による仕様や設定の違いをAlkiraが吸収してくれるため、ネットワークを迅速に設計、導入可能になるのだ。複雑な環境のデプロイ作業もAlkiraならポータル画面で「絵を描くように数クリックで完了できます」とプラットフォーム本部 第二プラットフォーム部 サービス推進課の吉田健一郎氏は説明する。
また、新規にパブリッククラウドの利用を開始したい場合、まずはパブリッククラウドに接続してくれるサービスプロバイダを探す必要がある。「AWSへの接続サービスを用意しているプロバイダは増えてきましたが、Azure、GCPなどへの接続メニューを用意しているプロバイダは限られているのが現状です」と小松氏は指摘する。
その後、接続するために設定変更が必要なネットワーク機器の洗い出しや発注、セットアップまで含めると大量に時間とコストがかかってしまうのだ。「一般的な仕組みだと、ネットワーク機器を探すところから始まり、さらにサービスプロバイダとのスケジュール調整などを含めると、実際にパブリッククラウドに接続するまで3~4カ月かかってしまいます。ですが、Alkiraなら、それらの作業がすべてポータル上の操作で完結するため、1日~数日もあれば完了できます」と黒岩彩氏は語る。
第二の特徴は、運用・監視にかかる負荷が削減できることだ。マルチクラウド環境を採用している企業では、それぞれのクラウドベンダーが提供している監視運用ツールを見ながら、運用・監視をすることになる。「複数の運用監視ツールを見ながら、常に状態を確認するという手間に加え、何か問題が発生したときに、切り分け作業が煩雑になります。Alkiraならポータル上でクラウド、オンプレミスのエンドポイントの状況など、ネットワーク環境を一元管理できます」と北川氏。
Alkiraでネットワークごとのルーティング状態を可視化している画面