SPECIAL TOPIC複雑化する次世代eCallの評価・認証 LTE/5G対応テスターでいち早く備えを!!

自動車事故の発生時に緊急通報を自動発呼するeCallは、LTE/5Gベースの次世代型「NGeCall」へのシフトが進んでいる。100%確実な動作が求められるこのシステムは、様々な規格・規制への対応が不可欠だ。ローデ・シュワルツは、5G対応も含めていち早くNGeCallテストソリューションを準備し、この移行を下支えしていく。

2018年にEUで新規登録車への搭載が義務化された「eCall」。この車載用緊急通報システムは、今や世界各国へと導入が広がっている。

eCallの目的は2つ。事故車両・乗員と救急隊を迅速につなぐため、必要なデータを提供し、即座に音声通話も可能にすることだ。この仕組みは、多くの要素で構成されている。車載通信器であるIVSは、位置情報や事故発生時刻、車種、乗車人数などの最小データセット(MSD)を、携帯電話ネットワークを介して緊急通報受付センター(PSAP)へ送信。乗員に意識がある場合は、PSAPのオペレーターが音声通話を行い、必要に応じて救急車を派遣したり、得られた情報を救急隊に伝える。

複雑化するNGeCallの認証試験を上流から下流まですべてサポート

このeCallが今、大きな節目を迎えている。従来はIVSとPSAP間のデータ転送・通話に2G/3Gを用いていたが、今後はLTE/5Gベースの次世代型「NGeCall」へシフトする(図表)。通信方式は回線交換(2G/3G)からパケット交換型へ移行。音声通話も、IMSをベースとしたVoLTEが使われる。

図表 NGeCallの仕組み

図表 NGeCallの仕組み

欧州では2026年から、新規登録車へのNGeCall搭載が義務化される。2G/3Gの停波が迫る他の地域もこれに続くと予想される。eCallに関わるメーカー/事業者への影響は大きい。

難題は、eCallの構成要素それぞれに「様々な規制・規格があること」と述べるのは、eCallの評価・テストソリューションを提供するローデ・シュワルツ・ジャパン アプリケーション・エンジニアリング部の中上剛氏だ。人命に直結するeCallの認証基準は厳格で、「通信機器やソフトウェアの動作試験はもちろん、通信性能や音声品質の評価も含めていくつもの認証テストをパスしなければならない」。現在、標準化作業中のNGeCall規制では「通信機としての評価内容が大きく変わり、音声通話がIMSになることで新たな評価ポイントも出てくる。さらに、LTE/5G圏外ではeCallとの併存も必要なので、ネットワークを識別したうえで通報できる機能も試験される」。

ローデ・シュワルツは、2024年11月に更新されたNGeCall規制にいち早く対応。同社のソリューションは業界で唯一、eCallの認証試験プラットフォームとして使われてきただけに、今回の次世代シフトへの対応も万全だ。

評価・試験のカバー範囲の広さも競合を大きく凌ぐ。4G/5G通信、プロトコル認証、GNSS性能に、IMS/VoLTEのコール試験、音声品質評価などあらゆる機能を網羅。加えて、「基地局・ネットワークのシミュレータやPSAPのエミュレータも用意している」(中上氏)。eCall/NGeCallの評価・試験では、実際の携帯電話網とPSAPを使って緊急通報を行うわけにはいかないため、疑似ネットワーク環境を構築して、MSDが確実に送受信できるか、PSAPとの間で通話が可能かなどを試験・評価できる。

4G/5G無線デバイス向けのオールインワン試験装置「R&S®CMX500ラジオコミュニケーションテスター」

4G/5G無線デバイス向けのオールインワン試験装置「R&S®CMX500ラジオコミュニケーションテスター

2026年1月の新規制スタートに向けて標準仕様・規格の策定はまだ続いている。ローデ・シュワルツは今後の更新も引き続きサポートし、NGeCallへの円滑な移行を下支えしていく。

<お問い合わせ先>
ローデ・シュワルツ・ジャパン株式会社
TEL:03-5925-1288
ソリューションの詳細はこちら

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。