パロアルトネットワークスは2025年4月9日、クラウドセキュリティの新たな基盤となる「Cortex Cloud」を発表した。同製品は、従来のクラウド脅威検出・対応(CDR)と、クラウドネイティブアプリケーション保護プラットフォーム(CNAPP)を一体化させ、リアルタイムな脅威対処を可能にする統合ソリューションだ。
パロアルトネットワークス プラットフォーム事業本部 シニアディレクターの藤生昌也氏(左)と、同本部 ビジネスプリンシパルの和田一寿氏
同社がCortex Cloudを開発した背景には、クラウドを取り巻くセキュリティリスクの急増があるという。パロアルトネットワークス プラットフォーム事業本部 シニアディレクターの藤生昌也氏は、セキュリティ侵害の8割がクラウド資産で発生していると紹介したうえで、クラウドサービスの月単位の頻繁な変更・追加が攻撃対象の増加を招いていると指摘した。加えて、生成AIや大規模言語モデル(LLM)を駆使した攻撃の自動化が進み、従来数週間かかっていた攻撃がわずか数分で完了するケースも報告されており、従来のクラウドセキュリティ対策は限界を迎えているという。
セキュリティ侵害の8割がクラウド資産で発生
こうした状況を打破するため、パロアルトが必要と考えたのが、クラウド環境とセキュリティ運用の統合だ。同本部 ビジネスプリンシパルの和田一寿氏は、「クラウド環境とセキュリティ運用が分断されていることが、対応の遅れやインシデントの見逃しを招いてきた」と説明した。