「必ずつなげる──。これが長年にわたりPBX/ビジネスホンを提供してきたOKIの使命」。こう語るのは、OKI コンポーネントプロダクツ事業部 IoT統括部ビジネスコミュニケーション推進部 部長の西修一氏だ。
OKI コンポーネントプロダクツ事業部 IoT統括部 ビジネスコミュニケーション推進部 部長 西修一氏
メールにチャット、Web会議など、インターネットの普及以降、言うまでもなくビジネスや生活の場で使われるコミュニケーションツールは大きく多様化してきた。かつての“主役”であった「電話」の相対的な重要性は少しずつ下がり続けてきたと言えるだろう。
CIAJ(情報通信ネットワーク産業協会)の「通信機器中期需要予測」を見ても、「ボタン電話装置・PBX・事業所用コードレスホン」の国内金額は微減が続く。
ただ、これだけ多くのコミュニケーションツールが登場した今でも、市場規模が微減でとどまっていることは、その重要さの証左とも見て取ることができるはずだ。
考えてみれば当たり前である。「緊急で相談しなければならない重大な問題が発生した」「今すぐ詳しい人に教えてもらって解決したい」──。こういった大事なシーンにおいて、多くの人が選択するコミュニケーションツールは今も「電話」であり、だからこそ「必ずつなげる」ことが大切になる。
OKIは「必ずつなげる」力を向上させ、「顧客接点と現場の強化」を実現するための2つの新ソリューションを相次ぎ発表した。
Webコールで顧客接点強化
1つめは、2024年12月に提供開始したWebコールゲートウェイ「NCPBOX」である。
NCPBOXは、Webページに「発信」ボタンを組み込むことで、WebブラウザとPBX/ビジネスホン配下の電話間の通話を可能にするゲートウェイだ(図表1)。「レガシーのコミュニケーションインフラであるPBX/ビジネスホンとインターネットの接点になる」と西氏は話す。
図表1 NCPBOXのシステム構成イメージ
企業や自治体のWebページに、ブラウザで発信・通話を行えるようにするAPIを組み込むためのHTML/JavaScriptのコードを追加。ユーザーがWebページ上の「発信」ボタンを押すと、NCPBOXと連携してPBX/ビジネスホン配下の電話機と通話できる。SIPやRTPなどの技術を用いて実現している、いわゆるインターネット電話で、ユーザー側に通話料金は発生しない。OKIは「Webコール」と呼んでいる。
OKIがNCPBOXを開発した背景には、顧客接点の変化があるという。インターネットの普及により、顧客接点もかつての対面や電話中心からインターネット上にシフトしている。とはいえ、WebページやSNS等だけで十分な顧客接点が作れるわけではない。音声で会話しながら、いろいろ尋ねたいといったニーズは決してなくなることがないからだ。
NCPBOXを導入すれば、Webページに通話機能を容易に組み込め、インターネット側の顧客接点を強化でき、顧客の獲得や顧客満足度の向上などが図れるという。