現在と同じ細さの光ファイバで、世界最大となる毎秒118.5テラビットを実現したと、NTTとKDDI総合研究所、住友電気工業、フジクラ、古河電気工業、NEC、千葉工業大学が2017年8月8日に発表した。
現在広く使われているガラス直径125μmの光ファイバ1本の中に、4個の光の通り道(コア)を有するマルチコア光ファイバを用いた。このため、既存の光ファイバ製造技術や、光ファイバ同士を接続する光コネクタなど既存の周辺技術が活用できる。
今回のマルチコア光ファイバの特長
マルチコア光ファイバをめぐっては、10個以上のコアを配置して伝送容量を劇的に増やす研究開発も行われてきた。しかし、コア数の多いマルチコア光ファイバの場合、ガラスの直径が既存の光ファイバよりも太くなるため、製造技術の飛躍的な向上と周辺技術のさらなる研究開発が不可欠となり、実用化には10年程度を要すると言われてきたという。
そこでNTTとKDDI総合研究所、住友電気工業、フジクラ、古河電気工業、NEC、千葉工業大学が研究開発に取り組んできたのが、既存の光ファイバと同じ細さのマルチコア光ファイバ。
今回、100テラビット超の伝送容量を実現できることを実証したことで、マルチコア光ファイバを活用した光通信システムの実用化に向け大きく前進したとしている。2020年代前半の実用化を目指すという。
標準外径マルチコア光ファイバを用いた世界最大伝送容量の実現