ワークスタイル変革Day 2015 講演レポートシスコ石黒氏「ツールの話だけではワークスタイル変革は成功しない」

「ワークスタイル変革はイノベーションを起こすため。だから、ツールの話だけではうまくいかない」――。そこでシスコシステムズでは、ツールの提供にとどまらず、その企業に一番有効な働き方を一緒に検討することを重視しているという。ワークスタイル変革の成功の秘訣やシスコの取り組みについて同社の石黒圭祐氏が語った。

「ワークスタイル変革という言葉は、確かに日本に浸透し流行っている。しかし、『隣の会社が働き方を変えているから、私たちも変えないといけない』では、うまくいかない」

ワークスタイル変革Day 2015の会場に集まった満員の聴衆に向けて、まずこう説いたのはシスコシステムズの石黒圭祐氏だ。

シスコシステムズ 石黒圭祐氏
シスコシステムズ コラボレーション・アーキテクチャ事業 コラボレーション営業 部長 石黒圭祐氏

ここ最近、ICT業界の注目ワードの1つとして、頻繁に耳にするようになった「ワークスタイル変革」という言葉。しかし、同氏が危惧するように、こうした“ブーム”のときこそ、その本質は見失われがちだ。

石黒氏は続ける。

「なぜ欧米の会社がワークスタイル変革に取り組んでいるのか、ということが実は非常に大事だ。彼らは、どうすれば社員がやる気になって、新しいアイデアを生み出すのか――イノベーションを起こすための取り組みとして、ワークスタイル変革を捉えている」

ワークスタイル変革の目的はイノベーションを起こすこと
ワークスタイル変革はイノベーションを起こすための取り組み

欧米の企業がイノベーションを重視するのは、イノベーションこそが企業価値の源だからだ。石黒氏によれば、過去50年間でフォーチュン500社の81%が入れ替わっている。持続的にイノベーションを起こせない企業が、容赦なく市場からの退出を迫られた結果だ。そして、そのスピードはどんどん加速している。

「アマゾン、テスラ、Airbnb、Uberなど、新しいイノベーションを起こす企業がどんどん生まれている。たった5人10人の会社でも、イノベーションによって世界のリーダーになれるのが、今の世の中だ」

過去50年でフォーチュン500の81%が入れ替わった
過去50年でフォーチュン500の81%が入れ替わった

では、イノベーションを起こすためのワークスタイル変革はどのように進めていけばいいのか。当然、「ツールの話だけでは、イノベーションは起こせない」。そこでシスコでは、単にツールを提供するだけではなく、「その企業・組織にはどんな働き方が一番有効なのか」も一緒に検討しているという。

そして、石黒氏は、働き方をしっかり検討したうえでツールを整備していった実例として、佐賀県と静岡銀行のワークスタイル変革の事例をビデオで紹介した。

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