その正体は、リニアテクノロジーが2011年に買収し、現在は同社の1部門となっているダスト・ネットワークスの独自技術。物理層にIEEE802.15.4を使ったM2M/IoT向けの無線メッシュネットワークで、「SmartMesh IP」の名前で製品化されている。
「切れない無線。」とはつまり、通信の安定性の高さを言っているわけだが、なぜSmartMesh IPは通信が切れないのか――。ブースには、SmartMesh IPを活用したソリューションを提供する各社も展示を行っているが、その1社である応用地質の担当者はこう説明してくれた。
SmartMesh IPを採用した応用地質の災害監視システム。右上と左中央あたりにあるのが、SmartMesh IPを搭載したセンサー |
「今までの無線通信は、電波が届いているのか、届いていないのか、よく分からなかった。しかし、SmartMesh IPの場合、どこの通信がどうなっているのかが、きちんと見える化できる。このため、通信の健全性をしっかり保てる」
また、SmartMesh IPの採用理由として、同氏がもう1つ挙げたのが、「群を抜いた低消費電力」である。
ちなみに、応用地質の災害監視システムは、斜面に配置した複数のセンサーによって、地盤の傾斜や雨量、水位などを遠隔監視するというもの。センサーには親機と子機があり、センサー間はSmartMesh IPで接続。親機に集約されたセンサーデータは、親機に内蔵する3G通信機能によって、センター側に送られる。
災害監視システムは、人命にもかかわるきわめてミッションクリティカルなシステムだ。万一のとき、通信ができなくなったり、電池切れを起こしていたのでは話にならないが、「切れない無線。」が災害監視システムの高信頼性を支えているというわけである。