KDDIは2014年1月30日、2013年度第3四半期決算を発表した。2013年4月から12月までの連結業績は、営業収益が前年同期比17%増の3兆1799億円、営業利益が同35%増の5332億円と増収増益だった。
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KDDIの田中孝司社長 |
通信料収入がモバイルと固定を合わせて960億円増となったことで、増益の70%を占めたほか、J:COMの連結などが貢献した。
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通信料の増収が増益に大きく貢献した |
各オペレーションデータも好調で、第1~第3四半期のau純増数は前年同期比11.7%増、MNP純増は27カ月連続1位を達成。モジュールを除いた純増数は184万と業界最高を記録、解約率は0.71%と最低水準を維持している。「NTTドコモからiPhoneが発売されることで影響を受けると予想していたが、良い方向に流れている」と田中孝司社長は語った。
KDDIは業績の好調を受けて、通期業績予想を上方修正した。連結営業収益は期初予想から1400億円増の4兆2800億円、連結営業利益は同300億円増の6600億円。また、au通信ARPUは70円増の4130円、au純増数は40万増の270万となる。au通信ARPUについては、2014年第4四半期で前年同期比10円増の4040円と反転する見込みだという。
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au通信ARPUも期初予想から70円増の4130円に上方修正した |
先日、MM総研が発表した2013年度上期のスマートフォン出荷台数は、前年同期比14.5%減の1216万台にとどまった。ここにきてスマートフォンの成長が鈍化しているとの見方もあるが、田中社長は「スマホ浸透率は現在の44%から80%くらいまで持って行きたいと考えている。マーケットで言うとアーリーマジョリティからレイトマジョリティに移行する段階にあり、ここを乗り越えるタイミングで販売スピードがスローダウンしていることが販売台数の減少につながっている」との見解を示した。そうしたなか、KDDIでは「3M戦略」の1つである「マルチデバイス」を推進し、1人が複数台のデバイスを使い分けるような端末や料金プランを提供することでARPUを伸ばしたいという。