キャリアの声を反映し、ネットワークに最適化した製品を展開これらのユースケースで使われているCPUは、今年4月に発表された最新の「第3世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサー」だ。合計36製品あるうち型番の末尾に「N」が付く4製品は、インテル社内で「ネットワークシリーズ(Nシリーズ)」と呼ばれる。
キャリアの声を反映した「第3世代インテルXeonスケーラブル・プロセッサー」 |
このNシリーズは、「こういうCPUが欲しい」という世界中の通信キャリアから寄せられた声を反映したCPUで、ネットワーク・インフラに最適化されているという。
従来は、インテル製品を使ってハードウェアを製造するOEM/ODM、あるいはインテル製品を再販したりソリューションとして提供するSIerやISVといったパートナーとの関係を重視しており、「どういう製品がどれだけ売れているかという情報は持っていたが、製品をどのように使っていただいているかという情報はなかった」(堀田氏)。
Nシリーズは、インテルにとって前例のない取り組みだが、2021年度第1四半期時点ですでに20万個が出荷済みと好調だ。「5Gネットワークやハイブリッド・クラウドを構築するニーズの高まりから、今も数字を伸ばしている」と堀田氏は述べた。
インテルは、エッジ・コンピューティング向けの「Xeon D」についても最新アーキテクチャーに対応した製品を2021年内にリリースする。シスコの5Gネットワーク製品やデル・テクノロジーズのエッジ・プラットフォーム、楽天モバイルの次世代RAN製品などでサンプリングを行っており、各社から寄せられた意見を基に最終形態を作っているところだ。
「Xeon D」の最新版は2021年内にもリリースされる |
「インテルは、お客様とともに新しいイノベーションを起こしていくことにフォーカスしている」と堀田氏は強調した。
こうした姿勢を象徴するのが、ネットワーク領域のエコスシステム「Intel® Network Builders」だ。
メンバーには各国の通信キャリアやSIer、ISV、ハードウェアベンダーが名前を連ねており、実環境でインテル製品のテストを何千回と繰り返した後、パッケージやソリューションとして提供される。このエコシステムを通じて新たに製品やソリューションも生まれている。
「Intel Network Builders」には、各国のキャリアらが参加している |
また、ユニークな取り組みとして、インテルはグーグル・クラウドとともに、5Gとエッジのためのリファレンス・アーキテクチャーや統合ソリューションを開発している。通信キャリアが5Gやエッジ・ソリューションを迅速にデプロイするのをサポートするのが目的だという。