Spirent CommunicationsやCalnex、ALifecomといった各社の測定器、試験。検証ソリューションを取り扱い、モバイルネットワークの技術開発から運用までサポートする東陽テクニカ。同社は今年、新たにVIAVIソリューションズの製品をラインナップに加えた。その1つが、基地局評価用UEシミュレータ「TM500/E500シリーズ」だ。
ワイヤレスジャパン×WTP 2025の同社ブースで早速紹介されていたこの製品は、3GPPに準拠した4G/5G基地局評価、およびO-RAN試験を実施するためのシミュレータだ。
VIAVIの基地局評価用UEシミュレータ「TM500/E500シリーズ」を紹介。同社製のスペクトラムアナライザー(右)も展示されていた
複数のセルにわたって数千台のモバイルデバイスを模擬することが可能で、O-RANを含む4G、5G(FR1、FR2)までの機能に対応することで、基地局評価に最適なソリューションを提供できるという。実際の音声やデータ、ビデオなどを模擬した端末で利用でき、端末ごとにテストケースを割り当てたり、4Gや5Gのグループ分けも可能だ。
NTNエミュレータによる遅延・パケロスの検証デモ
東陽テクニカブースではこのほか、O-RAN対応の大容量パケットキャプチャ/解析ツール「SYNESIS」や、ALifecom製のIoT-NTNテストソリューション「NE6000」、Spirent社のモジュール式RFチャネルエミュレータ「Vertex」など、様々な製品が展示されていた。
なかでも目を引いたのが、NTN(非地上系ネットワーク)関連の試験・評価ソリューションだ。
Calnexのネットワークエミュレータ「Calnex NE-ONE」を使ったデモ
上の写真は、Calnexのネットワークエミュレータ「Calnex NE-ONE」を使ったデモ。同製品は、Wi-FiやxDSL、3G/4G/5Gなど様々なネットワーク環境をエミュレートし、アプリケーションのパフォーマンスを検証することができる。ブースでは、遅延やパケットロスが起こりやすい衛星通信特有のネットワーク条件を再現し、衛星の切り替え時に動画視聴アプリが受ける影響を検証していた。
低軌道(LEO)衛星ネットワークの通信では、衛星間のハンドオーバーが頻繁に発生するため、動画配信などのリアルタイム性の高いアプリは、その影響を受けやすい。
NE-ONEは最大10基のLEO衛星をエミュレートし、ネットワーク条件をミリ秒単位で急変させるキューイングなどによって、衛星ビームの変化を再現することが可能だ。
NE-ONEは写真のアプライアンス版のほか、クラウドでも運用可能なバーチャル版も用意されている。