キャリア品質もフルオープンでNECはこれまでもOSSおよび商用製品を使ったクラウド基盤の構築・運用を行ってきた。その実績を基に、必要な要件や機能を標準モデル化し、事前に組み合わせ検証を実施。OSS構築モデルは、その検証済みの組み合わせの中から顧客側が選んで構築できるセミオーダー型のソリューションであることを第1の特徴としている。
2つ目の特徴は「OpenStack以外の部分もすべてオープンにできる」こと。同氏によれば、通信事業者が求める要件のうちOpenStackで実現できることは3割程度にすぎない(図表2)。残り7割はOpenStackを改造したり、他のOSSを組み合わせたり、あるいは商用製品で補完する必要がある。「他社は独自製品で補完するのがほとんど」だが、「NECは残りの7割も含めて、すべてOSSで構築できるのが一番の強み」という。
図表2 顧客要件の実現に向けた取り組み |
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例えば、OpenStackには監視やログ管理の機能がなく、そこはZabbixやELK、Bacula、AnsibleといったOSSで補完する。これらも含めて検証を済ませ、満を持して提供開始したのがOSS構築モデルなのだ。さらに、ユーザーが他社の商用製品を使いたい場合にも対応し、NECがワンストップで運用サポートを行う。
3つ目の特徴は、OpenStackの品質強化に向けた取り組みだ。NECは、OSSによるシステム構築においてもミッションクリティカル性を検証して高品質を確保するための技術を「OMCS(Open Mission Critical System)構築技術」として体系化している。徹底的な構造解析を行ったうえで、ミッションクリティカル性を評価し課題を抽出。そして、問題を解決するための機能拡張を行ったり、直せないものは回避方法を確立することで「キャリア品質をフルオープンなシステムで実現している」のだ。