「データセンター(DC)向け製品を初めてリリースした2008年から、約17年でトップシェアの座をつかんだ。企業内LANでも同じことを達成したい」
そう話すのは、アリスタネットワークスジャパン 副社長の兵頭弘一氏だ。創業以来、DC/クラウドを主ターゲットとしてきたアリスタは今や、DCネットワーク業界で揺るぎない地位を築いている。
だが、DCの外、いわゆるキャンパスLAN向けにも多彩な製品を提供していることは、意外と知られていない。「モデル数では、DC向けと一般企業向けがほぼ同数」と、DCで支持を得た高い性能と品質を武器に、キャンパスLANでも着実に実績を伸ばしている。
アリスタネットワークス ジャパン 副社長 兼 技術本部長 兵頭弘一氏
DCもLANも共通OS CloudVisonで運用一元化
アリスタがキャンパスLANに目を向けたのは2010年代後半だ。背中を押したのは、DCのユーザーからの声だったという。「アリスタ製品を使ったことで、DCではネットワークの可視化や運用効率化・自動化が進んだというお客様が、『でも、社内LANは数十年前から変わっていない』と。そこで、キャンパスLAN向け製品を拡充し始めた」(兵頭氏)。2018年にはクラウド管理型Wi-FiのMojo Networksを買収。現在では、Wi-Fi 7対応モデルも含め、屋内・屋外用の多彩なWi-Fiアクセスポイント(AP)を揃えている(図表1)。
図表1 アリスタネットワークスのキャンパスLAN向けポートフォリオ
とは言え、キャンパスLANもDCに劣らない激戦市場だ。そんな中でアリスタにはどんな優位性があるのか。
最大の強みと言えるのが、すべての製品のOS、監視・管理ソフトウェアが共通であることだ。高い性能と信頼性が求められるDCで実績のある「Arista EOS」を全製品に搭載。かつ、「共通のマネジメントプレーン『CloudVision』で可視化や自動化ができる」。DCとキャンパスのネットワークを区別なく運用管理することが可能だ。操作性についても「業界で標準的なネットワーク機器の操作性を踏襲している」ため、他社製品から乗り換えたとしても既存のノウハウやスキルはそのまま活かせる。
ラインナップの豊富さも見逃せない。
アリスタは、フォワーディング性能から可視化・自動化の機能まで、DCネットワークにおいて先行的に活用されてきた「デザインや性能、機能をキャンパスLANへ適用していく」ことをコンセプトに製品を開発していると兵頭氏は話す。そのため、DCネットワークでは一般的なSpine-LeafアーキテクチャをキャンパスLANへ導入し、トポロジーをシンプル化することも可能だ。もちろん、従来どおりのコア−ディストリビューション−アクセスの階層型も選択できる。Spine/コアスイッチは10~100Gのボックス型およびシャーシ型をラインナップ。Leaf/アクセススイッチも多様なポート構成の製品を揃え、PoE対応やファンレスの小型モデルなどバラエティに富む。