「同じテーブルでは勝てない」このニーズに応えるためNECは2015年10月、クラウド基盤向けソリューション「NEC Cloud System」に新ラインナップとして、OpenStackを活用したクラウド基盤構築・運用を支援する「OSS構築モデル」を追加した（図表1）。OpenStackをベースに、事前検証済みの製品や他のOSSを組み合わせてクラウド基盤を構築し、運用支援を行うものだ。提供開始に合わせてOpenStack専門部隊を設置するとともに、開発・SE合わせて1000名の体制も整備している。
| 図表1 NEC Cloud Systemラインナップ |
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このOSS構築モデルは、NECの通信事業者向け事業において戦略的な意義を持つソリューションと言える。
クラウド管理ソフトの市場ではこれまでVMware等の商用製品が主流だったが、「それと同じテーブルで戦っても勝てない。ゲームチェンジする必要がある」と上坂氏は話す。商用製品を売ってライセンス収入を得るのではなく、無償のOSSを軸に据え、OSSによってクラウド基盤を構築・運用しようとする顧客に対して「SIとサポートでマネタイズする戦略に舵を切った」のだ。
この戦略においては当然、SI・運用の技術とノウハウが差別化ポイントとなる。他ベンダーも同様にOpenStackによるクラウド基盤構築・運用を支援するサービスを始めているが、その中でNECは何を売りにしていくのか。上坂氏は、(1)セミオーダー型で柔軟かつ迅速にクラウド基盤が構築できること、(2)ベンダーロックが一切ないオープン性、そして(3)ミッションクリティカルシステムの構築技術の3つを強調する。
