「楽天グループは70超のサービスを展開している。それらのサービスでサイバー空間のデータだけでなく、フィジカルなデータも扱えるようになると一体どうなるのか。私自身が楽しみにしている」。楽天モバイル 5Gビジネス本部 ビジネスソリューション企画部 部長の益子宗氏はこのように語る。
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楽天モバイル 5Gビジネス本部
ビジネスソリューション企画部 部長 益子宗氏
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10年後に実現すると見込まれているBeyond 5G/6Gには、サイバー空間とフィジカル空間の融合を加速させる役割が望まれている。代表的なユースケースの1つは、大量のセンシングデータをもとにサイバー空間上にフィジカル空間を再現する「デジタルツイン」だ。とはいえ、サイバー空間とフィジカル空間が融合することで自社のビジネスがどう変わるのか、まだ具体的なイメージを持っていない企業も少なくないだろう。
そうしたなか、楽天グループは6G時代に向けたサービスイメージを早くも描き始めている。
「楽天市場でフィジカル空間のデータを超低遅延で扱えるようになれば、リアルタイムで生体情報のセンシングが可能になり、接客する側がユーザーの心拍や発刊量などから『このトークは面白いか』といったリアルな空気感を感じながら話ができる。さらに、商品の配送にUGV(自動配送ロボット)やドローンも使えるようにもなるだろう。また、楽天トラベルではVRで観光地に行くという話もある。こうしたことが6Gの始まる2030年ごろには本格的に実現できると期待している」
しかも、個々のサービスを便利にしていくだけではない。「6Gと楽天グループのサービスが組み合わさることで、最終的には社会インフラのようになっていく」と益子氏は説明する。
「例えば、楽天は約40の自治体と包括連携協定を結んでいる。こうした地域で我々のサービスが社会インフラとして活用されることで、新しい社会が作られていくと考えている。労働人口の不足や地方の買い物困難者などの社会課題の解決に貢献していく」