スマートデバイスの活用領域を広げるサービス&アプリの選び方

ワークスタイル変革ニーズを追い風に、スマートデバイスが企業に広がっている。カギを握るのは、企業の業務にフォーカスしたサービスおよびアプリケーションを正しく選ぶことだ。

連携と拡張性に目配りを

次に、スマートデバイス向けサービスおよびアプリケーションを利用する上で注意すべき点について、取り上げることにしよう。

スマートデバイスが対象とするデータには、メールや顧客データなど社外に漏えいしてはいけない機密情報が多く含まれている。スマートデバイス向けのサービスおよびアプリケーションを導入する際に、まず考慮すべきは情報セキュリティ対策だ。MDMを導入することによってデバイスに安全に管理することが可能となるが、それに加えて、サービスやアプリケーション自体が備えるセキュリティ機能の内容およびレベルを見きわめておきたい。

また、カスタマイズ可能かどうかも、重要なポイントになるだろう。SaaSは一般的にカスタマイズしづらいので、自社が独自に必要とする機能を追加したい、あるいはUI(ユーザーインターフェース)を独自に作り込みたいという企業は、オンプレミス製品を選択することになる。その際に、カスタマイズがスムーズに行えるAPIを用意しているかどうか、また、アプリケーションソフトウェアベンダー自体がカスタマイズサービスを提供しているかどうかという点も確認しておきたい。

他の機器やシステムとの連携性も企業のスマートデバイス利用における重要な要素だ。企業の業務はビジネス環境の変化に応じて変化していく。

また、スマートデバイスをトライアル的に使い始めれば、その適用領域を広げたいと考えるようになるのは自然な流れだ。そうしたとき、顧客データベースに代表される社内の既存システムとの連携や他のスマートデバイス向けアプリケーションおよびサービスとの連携が、スマートデバイス利用の領域拡大のカギを握る。スマートデバイス向けビジネスアプリケーションおよびサービスを選択する際には連携性に目を配っておきたい。

スマートデバイス向けサービスおよびアプリケーションがどのような拡張性を備えているかにも目を配っておきたい。ユーザー数の拡大への対応や将来のスマートデバイス利用領域の拡張を見据えて、今後の開発意向についてベンダーからヒアリングすることも有効だ。

月刊テレコミュニケーション2013年11月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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