ランサムウェア攻撃の一歩目「IABが台頭」、フォーティネットが語るサイバー犯罪の最新動向

「最近のサイバー犯罪は洗練され、より賢くなってきた。ハードになるのではなく、スマートになってきたといえる」。米フォーティネットで脅威インテリジェンスチームの責任者を務めるデレク・マンキー氏は、サイバー犯罪組織の活動についてこう述べた。なかでも活発化しているのが、標的への不正アクセス手段を販売する「Initial Access Broker:IAB」だという。日本でも猛威をふるうランサムウェア攻撃の第一ステップである。

ランサムウェアの44%がOTを攻撃

世界中で猛威を振るうランサムウェアについては、3つの傾向を指摘した。

ランサムウェア攻撃の3つの傾向

ランサムウェア攻撃の3つの傾向

1つめが、OTを標的とした攻撃が増加していること。全世界のランサムウェアの44%がOTを標的としたものという。

2つめは「感染の高速化」だ。マンキー氏によれば、「自動化などによって、感染の速度が上がっている。標的を決めてから内部に侵入するまで平均で5日」であり、今後、さらなる高速化が懸念されるという。現時点では日単位だが、「将来的には時間単位で攻撃が行われることが予想される。SOCがもっと高速化していかなければならない」。

3つめは、恐喝の激化だ。支払い要求が執拗になってきており、最近では物理的な暴力を伴うケースもみられるという。

「APACで5番目」の日本に多い手口とは

サイバー攻撃における作戦活動は「キャンペーン」と呼ばれるが、日本でも多数の攻撃キャンペーンが観測されている。

日本で検知されたサイバー攻撃

日本で検知された攻撃キャンペーン。IPS(侵入検知システム)によって観測されたネットワーク侵入を目的とした活動が大半を占める

2024年第1~3四半期にアジア太平洋地域(APAC)で観測されたキャンペーンの数は5000億超。日本はAPACの中で5番目に多い国で、同期間に168億件の攻撃が確認された。大半がネットワーク侵入を目的としたもので、ランサムウェア攻撃や偵察活動、クレデンシャル搾取などが上位に挙がるなか、IoTデバイスを狙ったボットネットやクラウドサービスへの攻撃も増加しているという。

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。