SPECIAL TOPIC5Gの電波干渉回避へ、高まる時刻同期の重要性 アンリツ計測器なら大丈夫な4つの理由

5G/ローカル5GやIP映像伝送、MECによる低遅延アプリなど、高精度な時刻同期が必要とされるシステムが社会に浸透し始めた。その構築・運用にあたり、「時刻同期は難しそう」と臆する人も少なくないはずだ。でも、徹底的に現場目線で設計されたアンリツの測定器「MT1000A」があれば心配無用だ。5G網の同期検証も障害解析も、もう怖くない。

私たちの生活基盤である社会インフラは“時刻同期”によって支えられている。ネットワーク化されたデバイス・機器は同じ時刻を共有することで初めて高信頼なサービスを実現できる。最も身近な例が、モバイル通信ネットワークだ。

特に5Gは、電波干渉を防ぐために高精度な時刻同期が必要とされる。周波数利用効率を高めるため、5Gでは、上り通信と下り通信で同一帯域を用いるTDD(通信経路を時間で分ける)を主要な方式として採用しているからだ。

TDDは、下り/上りで帯域を分けるFDDに比べて周波数割当の自由度が高い。ただし、経路を分けて干渉を防ぐには、すべての基地局の時刻を同期させなければならない。5Gでは低コストかつ短期間に基地局を展開する目的で、複数の通信事業者がアンテナタワーを共用する場合がある。近くに置かれた他事業者の基地局電波と干渉しないためにも、厳密に時刻同期を運用する必要がある。

また、5Gの超低遅延・高信頼通信(URLLC)は、スマートファクトリーや建機の遠隔操縦、自動運転といったミッションクリティカルな用途で使われる。機器同士がリルタイムに連携するためには、それらをつなぐ5Gを通しての正確な時刻同期が欠かせない。

どこでも使えるポータブル測定器でフィールド上の“困った”を解決このほか、映像伝送のIP化が加速する放送システムや金融取引システムなど、高精度な時刻同期が求められる場面はどんどん増えている。その構築、品質維持に不可欠なのが通信測定器だ。測定器製造大手アンリツの亀山祥弘氏は、時刻同期への関心の高まりをこう話す。「当社の測定器にも、LTEで3.5GHz帯のTDDが導入されてからPTP対応機能を搭載してきたが、5Gが始まってから国内外の通信事業者や装置メーカー様からの問い合わせが増えている。IoTなどの新しい通信サービスの基盤として、時刻同期へのニーズの高まりを感じている」

その同社が5Gでの需要の高まりを見据えて機能を強化し、フィールド検証・試験用測定器として提供しているのが、「ネットワークマスタ プロ MT1000A」である。どこでも持ち運べるポータブル性が最大の売りだ。

ハンドヘルド測定器「ネットワークマスタ プロ MT1000A」
バッテリーで動作し、場所を選ばず使えるハンドヘルド測定器「ネットワークマスタ プロ MT1000A」

5G網の性能検証・障害解析は場所を選ばずに実施できなければならない。PTP対応の測定器と言えば、ラボ用に作られた大変高価なものが一般的だが、そんなものをフィールドに持ち出せるわけがない。基地局から局舎、基幹網まで「あちこち回って性能を確認する、異常ポイントを探すというのが実際の使われ方。屋外でも、電源のないところでも使える測定器が不可欠だ」

MT1000Aはバッテリーで最大3時間稼働し、タッチパネルで簡単に操作が可能。100Gbpsまで対応した業界最小クラスの測定器だ。今年5月にリリースした、ルビジウム原子時計を搭載した新モジュール「高精度GNSS同期発振器 MU100090B」を追加すれば、「原子時計をポータブルに持ち歩いて高精度な試験ができる」。

ただし、これだけで時刻同期検証・試験がすぐにできるかというと、不安を覚える技術者も少なくないだろう。

だが、安心してほしい。徹底した“現場目線”で開発されたこの測定器には、ポータブル性に加えてあと4つ、注目すべきポイントがある。経験の浅い技術者でも容易に扱えるようにするための工夫について紹介しよう。

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