「未来のターミナル」も視野にオフィス・商業街区をターゲットとした開発・実証と並行して、街づくりDTCの適用先も広げる。次に想定しているのが、MaaSや観光、物流だ。
鉄道やバス、タクシーなど複数のモビリティが連携してラストワンマイルの移動を最適化する、あるいは需要予測に基づいてプライシングを最適化したり、混雑を分散させたりと、複数の交通手段を最適に連携させる新しいターミナル機能の実現にも取り組んでいくという。
この未来の都市はいつ頃現実化するのか。街づくりDTCの開発と実証については、「4年後にマイルストーンを設定している」と社家氏は説明する。「オフィス・商業街区で提供したい16の価値とデジタルツインを2024年までに実現するのが目標」だという。
これを受けてNTTアーバンソリューションズでは、2030年に向けて実際の街区への実装を進める。上野氏は「NTTグループとして東京都内や大阪、九州と大規模な開発計画を次々発表していく予定だ。そこで、今のように分野ごとにバラバラではなく、しっかりとデータが行き交い、サービスを届けられる街づくりを進めていきたい」と展望する。
この構想を現実のものとするには、「セキュリティ、プライバシーも大きなポイントだ。NTTグループ全体で、ビル・街区オーナーや住民、ワーカーの皆さんに信頼していただける仕組みを作る。法の順守はもちろん、ご利用時ひとり一人の合意を得るなど、しっかりと丁寧に取り組んでいきたい」と上野氏は語っている。