2020年に大きく変化したことの1つに「働き方」がある。
満員電車に揺られて出社し、オフィスに皆が集まって仕事をする従来の働き方は、新型コロナウイルスの感染拡大を機に過去のものとなった。
2020年4月の緊急事態宣言を受けて、多くの企業が全社的にテレワークを導入。それに合わせて会議や打ち合わせのスタイルも「対面」から、Web会議システムなどを活用した「オンライン」へと変化した。
テレワークを導入している関東地方の企業を対象に、内田洋行が2020年7月に行った調査によると、新型コロナウイルスの感染拡大後にWeb会議の頻度が「増えた」と回答した企業は86.8%と9割近くに上る。「Web会議はしていない」企業は1.8%にすぎず、コミュニケーション手段として今やWeb会議が欠かせない存在となっていることが分かる(図表)。
図表 テレワーク導入によるWeb会議の頻度の変化
ここにきて一部企業で「オフィス回帰」の動きも見られるが、大半の企業は「密」な環境を避ける目的から、一部の社員のみ出社し、残りはテレワークという「ハイブリッドワーク」を取り入れている。
このハイブリッドワークにおける会議は、オフィスの会議室と自宅などのリモート環境をつないだWeb会議が中心だ。「重要事項もWeb会議で決めるようになっており、質の高い会議を行うために会議室と自宅両方の環境整備が求められている」とロジクール 法人事業本部 マーケティング部 部長の横山大介氏は指摘する。
天井設置マイクで効果的に集音それでは、オフィス側の環境を整えるためには、どのような周辺機器を活用すればいいのか。
Web会議をスムーズに行ううえで、まず重要な役割を果たすのが「音声」だ。会議の途中で音が途切れたり、雑音が入ると集中できず、進行の妨げになることが避けられない。
会議室におけるWeb会議の音声を改善する方法として、スピーカーと集音マイクが一体化したスピーカーフォンがある。
スピーカーフォンはテーブルに設置すればよく、手軽に導入することができる。
しかし、ノートPCや紙の資料と距離が近いため、キーボードを叩く音やページをめくる音などのノイズを拾いやすい。ノイズを除去する機能を搭載している製品もあるが、そのレベルはメーカーによってまちまちだ。
こうした卓上型スピーカーフォンの課題を解決する製品として、天井に設置するシーリングマイクがある。
例えばゼンハイザージャパンの「TeamConnect Ceiling2」は、1本のビームが音圧(音による圧力の大気圧からの変化分)を検知することで話者の位置を認識し、自動追尾する「ダイナミックビームフォーミング」機能により、半径4m・約60㎡をカバーすることができる。このビームは角度を30度に絞ることで話者の口元の音声だけを集め、空調など周辺のノイズは極力排除する。また、地面から2.5m以上確保することを推奨しているので、テーブル上のノイズも拾いにくいという。
ゼンハイザージャパンの「TeamConnect Ceiling2」は天井設置型のマイクで、半径4m・60㎡をカバーする