O-RANとデジタルツイン
携帯電話インフラ向けでは、O-RANや6Gがこれからの成長分野だ。まずO-RANではマルチベンダー環境となるため、「膨大な組み合わせの試験が必要となる」(藤井氏)が、この相互接続試験の負荷をいかに軽減していくかが重要なポイントとなる。丸文の場合、RF over Fiber(RFoF)や光マトリクススイッチを組み合わせたRANテストラボの最適化ソリューションを用意している。
6Gは当然、あらゆる測定器ベンダーの最重点領域だ。そのため、キーサイトの齋藤城太郎氏は「6Gは規格が固まっておらず、手探り状態」としながらも「柔軟性を持たせて研究開発が進められる製品・ソリューションを用意している」と話す。アンリツの音羽俊哉氏も「6Gがどう固まっていくかはまだ未知数。FR3の特性検証などベーシックな部分で6Gに向けた取り組みを始めさせていただいている」という。
こうした中、キーサイトが力を注ぐソリューションの1つは「デジタルツイン」だ。「物理的な空間、実社会の複製をデジタル(仮想空間)上に作成しておき、その環境で、今後起きるであろう、起こしたい内容を試してベストな内容を実社会に反映させるもの」と北野元氏は説明する。
例えば、エリアの伝搬特性をモデル化したデジタルツインを用いて、エリア内のIoT機器の電力消費を最小化できる条件を明らかにするなどの取り組みを行っているという。
6G時代には、サービス・端末の開発手法自体も大きく変わることになりそうだ。