「日本では、最新のモバイル通信技術を積極的に導入することで、世界トップの品質のネットワークが実現されてきました。とはいえ、無線機から先のアンテナ、共用器、同軸ケーブルといったRFパスの領域は見落とされがちで、イノベーションが起きていません。当社が世界市場で培った技術を活用いただくことで、6Gでも日本のネットワークをトップレベルへ持っていけると考えています」
こう語るのは、アンドリュー・ジャパン 副社長の加藤順一氏だ。
(右から)アンドリュー・ジャパン 副社長 兼 カントリーマネージャー 加藤順一氏、営業本部長 黒田隆広氏
1937年に米国で設立されたアンドリューは携帯電話の黎明期から基地局アンテナや同軸ケーブルなどを手掛け、ワイヤレスインフラの進化に大きな貢献を果たしてきた。
2007年に米国の通信機器大手コムスコープに買収された後、アンドリューの事業は「屋外ワイヤレスネットワーク(OWN)」と「分散アンテナシステム(DAS)」の2部門に分けて展開してきた。その後、2024年7月、コムスコープはこの2事業を、データセンター、自動車や航空宇宙向けの通信コネクターを手がける米アンフェノールに売却することで合意。2025年2月に事業譲渡が完了し、アンドリューはアンフェノール傘下の事業会社として再始動した。
新たなスタートを切ったアンドリューは、OWN/DAS部門に所属していた世界約4000名の人材と世界各国の製造拠点、研究開発・販売拠点を継承。さらに、アンフェノールが従来展開していたアンテナ事業もアンドリューに統合され、体制が一層強化された。
また、ブランドの再始動に伴い、長年親しまれてきたフラッシュのロゴも復活。従来は赤色だったフラッシュのデザインは、アンフェノールのコーポレートカラーである青に変更された(図表1)。
図表1 1937年以来、ワイヤレスの進化を加速したきたアンドリューの概要と歩み
アンドリューは今回の体制変更を機に、日本市場でのビジネスをさらに強化していく方針だ。