グローバル展開する企業に対して、高品質な通信ネットワークを提供しているColtテクノロジーサービス。その提供サービスは、有線ネットワークにとどまらない。ワイヤレス回線を用いた法人向けインターネット接続「ワイヤレスインターネットサービス」もラインナップしている。
固定回線のバックアップや短期利用、あるいは光回線の敷設が困難な拠点での接続といったニーズに対応するため、2022年10月に4G/5Gから同サービスはスタートした。固定回線が利用できない環境でも、安定したワイヤレス回線をSD-WANのアンダーレイとして活用でき、業務システムやクラウド、データセンターへの高品質なアクセスが可能となる。さらに、SASEを組み合わせることで、セキュリティを担保しながら柔軟なネットワーク構成を実現可能だ。
そしてColtは2025年2月、サービス品質の一層の向上とカバレッジのさらなる拡大を図るため、低軌道(LEO)衛星回線を接続メニューに追加。ワイヤレスインターネットサービスは、モバイル回線のみを用いる「グローバル ワイヤレスアクセス」、LEO衛星回線のみの「グローバル マネージドLEO」、モバイルと衛星の両回線を組み合わせた「グローバル マネージドLEO+」の3カテゴリに拡張された(図表1)。
図表1 ワイヤレスインターネットサービスの仕様
法人向け衛星通信サービス市場が活性化するなか、Coltの強みは何か。同社のミッチェル・モルダー氏は、「これほど多くの国と地域で、法人向けに一貫した品質を提供できるサービスは他にはありません」と言う。
Coltテクノロジーサービス セールスエンジニアリング&プロダクトマネジメント アジア 本部長 ミッチェル・モルダー氏
約57カ国でLEO衛星回線 契約帯域の50%を保証
ワイヤレスインターネットサービスの強みはまず、その高いワンストップ性だ。Colt1社と契約すれば、約57カ国でLEO衛星回線、またモバイル回線も約90カ国で利用できる。
品質も高い。「ワイヤレスであっても、光ファイバー並みの安定性と信頼性を求める顧客の声にどう応えるかが最大のテーマです」。モルダー氏はこう強調するが、LEO衛星回線とモバイル回線の両方について契約帯域の50%のスループットを保証し、可用性・障害復旧時間に関してもSLAを設定している。LEO衛星回線は現在、Starlinkの下り最大50Mbps/上り最大10Mbpsの回線が利用可能で、モバイル回線は各国で2キャリアを併用し冗長性を確保。24時間365日の監視と機器故障時のオンサイト対応による万全の運用保守体制も整備している。