タブレット端末で低コストにPOSレジを導入できる「タブレットPOS」が人気だ。これまでPOSレジに専用端末を用いていた企業がリプレースの機会にタブレットPOSに切り替えるケースや、POSレジ導入に二の足を踏んでいた中小企業の新規導入が増えている。
エスキュービズム(本社・東京都港区)が提供する「EC-Orange POS」もその1つ。同社ソリューション事業部セールス&マーケティング部パートナーグループの碓井宣忠氏によれば、これまでに50社以上の企業を獲得しており、今年度中に店舗数にして1000店舗を超える見込みという。
「タブレットPOSの売上が大きく伸び出したのは昨年10月くらいから。今年に入ってからは4月時点ですでに30~40社の導入が決まっている」
EC-Orange POSの精算画面。客層の分類も可能 |
エスキュービズムは元々、Eコマース(EC)サイトの構築を事業の中心としていた。2011年からはタブレットPOSへの需要の高まりを受け、主に複数店舗で利用する企業を対象にタブレットPOSの受注開発を手掛け、昨年から本格的に販売を開始した。
従来からPOS専用端末を提供してきたベンダーが、その機能や画面デザインをそのままタブレット端末に組み込むかたちで提供するケースが多いなか、ECサイト構築を経てタブレットPOS市場に参入した同社は、ゼロベースからタブレットPOSを作り込んでいる。
EC-Orange POSは、タブレット端末にPOSレジアプリをインストールし、そこで入力された販売・顧客データがクラウド上に蓄積・共有される。センター拠点等から、Webアプリケーションを使ってそれらのデータにアクセスし、売上管理などを行う。
「多くのタブレットPOSは、他の店舗との連携は10店舗程度が限界だが、EC-Orange POSは複数店舗にまたがる店舗管理画面を備えており、店舗数に上限がない。そのため、100店舗を超える多店舗経営にも活用することができる」(碓井氏)