「ここ1年ほどで、楽天モバイルがSIerに選ばれるようになってきました」と、法人向けインターネット接続サービス「KŌSOKU Access」の成長について、楽天モバイルの辻史幸氏は手応えをこう語る。
KŌSOKU Accessは2024年1月、ベストエフォート型でサービスを開始。1Gbpsプランを例に取ると、月額1万7800円(税別、以下同じ)という低価格や、下り平均スループット約800Mbps(実測値であり、保証するものではない)という通信速度などが高く評価された。他社ISPサービスと異なり、専有の光ファイバー回線を顧客拠点に直接収容することがその品質の高さの大きな理由だ(図表1)。
図表1 楽天モバイルと他社の専有型回線の比較
辻氏の元には、企業の情報システム担当者からさらなるサービスの拡充を求める声が多く寄せられたという。その1つが、帯域確保型のインターネット接続サービスだ。「帯域確保型サービスの提供は将来的な目標でしたが、計画を前倒しして2024年8月から『KŌSOKU Access Premiumプラン(帯域確保型)』を開始しました」と辻氏は明かす。
企業・自治体のDXの進展によりクラウド・SaaS利用が増加。コロナ禍後のオフィス回帰の流れもあり、各事業所では一定の帯域が確保され、かつ安定性の高いインターネット接続サービスのニーズが伸びてきている。辻氏は、「エンタープライズ向けのインフラを安価に整えることが使命です」と力を込める。