<特集>日本の通信インフラの論点通信業界のインフラコスト削減は3段階で進む

通信業界の将来を暗くする「インフラコスト」の重圧。これを解消するには、抜本的なレベルでのコスト削減と追加収益の確保が不可欠だ。インフラシェアとO-RAN、そしてCore SaaSの3段階でインフラ改革が進む。

社会・産業のデジタル化を支える通信インフラの品質をどのように維持していくのか。トラフィック量が激増していくなか、通信業界はこの問題に直面する。将来的に地方でのデータ需要が増大すれば、高い品質と適正な料金水準を両立することはますます困難になる。

通信事業者に求められるのは、まずインフラのコスト削減。そして、新たな収入源の確保も欠かせない。

基地局共用を地方へ拡大

コスト低減の第1段階はネットワーク設備の共用だ。

近年は複数キャリア間での携帯基地局装置・アンテナ、電源等の共用が国内でも進んでいるが、欧州に比べるとまだまだだ。アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナーの赤山真一氏によれば、「欧州では過半のサイトがシェアリングされている。日本もそうなっていく」。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー 赤山真一氏

アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー 赤山真一氏

今後期待されるのが、インフラシェアリングの地方への拡大だ。インフラコストのうちRANが占める割合は非常に大きい。アーサー・ディ・リトル・ジャパンの試算によれば、パッシブシェアリングでネットワークインフラコストの10~20%を削減可能、アクティブシェアリングで同20~30%を削減可能という。また、「スペクトラムまで含めることで、インフラコストの30~50%を削減可能だ」。

また、衛星通信をバックホール回線に使ったり、ルーラルでの端末との直接通信を可能にするNTN(非地上系ネットワーク)の活用もコスト低減に大きく貢献する。

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