SPECIAL TOPIC通信事業者に真のゼロタッチオペレーションを OSSに求められる8つのKPIとは?

より付加価値の高いサービスをより迅速に、より低コストで提供する――。通信事業者は常にそんな「無理難題」にさらされ続けてきた。模索を続ける通信事業者がある一方、海外ではいち早く開通から運用までの処理を連携させて真の自動化、真のゼロタッチオペレーションを実現し、ビジネス上のさまざまな目標を達成しつつある通信事業者も登場している。

3つの要素の連携でクローズドループを実現

このように、部分最適ではなくエンドツーエンドでの自動化を実現し、KPIを総合的に達成していくために、OSSにはさまざまな役割が求められる。そんな機能を包含するOSSとしてHPEが提供しているソリューションが「Network Operation Automation」だ。

図表2 オーケストレーションとアシュアランスのクローズドループを実現する
「Network Operation Automation」

図表2 オーケストレーションとアシュアランスのクローズドループを実現する「Network Operation Automation」

Network Operation Automationは、インテントベース・モデリングによってオーケストレーションを自動化する「HPE Service Director」と、AI/MLを活用してアラームの傾向分析やパターン検知、異常予兆検知を行い、プロアクティブ、プレディクティブな監視機能を提供する「HPE Automated Assurance」、その際に必要なネットワーク機器の構成・設定といったインベントリ情報を一元的に集約する「HPE Trueview」から構成されている。

「個別最適ではなく、サービス開通と監視機能を事前統合し、クローズドループを実現することで、エンドツーエンドの自動化を提供することがNetwork Operation Automationのコンセプトです」(安立氏)

人手を介さず運用することで、コストはもちろんオペレーションミスも削減し、何か異常があってもすぐ復旧することでサービス品質の向上につなげることができる。作業に割いていた人手を新たなサービス開発に振り向け、付加価値の高い新規サービスを開発し、しかもその新サービスを市場に提供するまでの時間を短縮することで、収益獲得を加速させることができる。

HPE Service Directorはインテントベース・モデリングを用いることで、開通処理、変更処理といった制御ロジックを1つ1つ記述する必要がなく、従来手法と比べて設計・実装する量が減らせるため、より早く市場にサービスを提供することができる。サービス開通時はモデルを元にHPE Trueviewの持つ構成情報を参照しながら必要な設定を取り入れることで開通業務がスムーズに行え、サービス・リソースの設定情報をHPE Automated Assurance側に連携することで自動的に監視業務が開始される。

図表3 インテントベース・モデリングによるサービス実装を実現する
「HPE Service Director」

HPE Automated Assuranceは、さまざまな機器から収集したアラームをフィルタリングし、相関分析を加えて重要なものを選び出し、さらにAI/MLを用いて傾向分析などを行っていく。このときHPE Service Directorから引き継いだモデルやHPE Trueviewで管理されているインベントリ情報も活用することで、より正確に原因特定を行い、サービス品質を高めて顧客体験の向上を支援する。

図表4 アラームの収集・フィルタリングからAI/MLを用いた
傾向分析までを可能にする「HPE Automated Assurance」

図表4 アラームの収集・フィルタリングからAI/MLを用いた傾向分析までを可能にする「HPE Automated Assurance」

「オーケストレーションからインベントリ、それからアシュアランスの3つがうまくかみ合うことによって、クローズドループオペレーションを回すことができます」(降旗氏)。これがひいては、CTOやCIOが求められるKPI達成に寄与していくとした。

現に海外では、サービス開通処理の90%を自動化し、サービス開通までに要する時間を30日から5分にまで短縮したスイスコムや、2800万人もの加入者を抱えつつほぼ100%の自動化を実現し、サービス投入までの期間を1年半から3カ月に短縮し、またアップデート作業自体も90日から2日で終えられるようにしたドイツテレコムなど、具体的なKPI達成を実現している通信事業者が現れている。

またオレンジでは、事前統合されたHPE Service DirectorとHPE Automated Assuranceを利用して5Gスライスのクローズドループ運用に取り組んでいる。検証段階だが、ユーザーのリクエストに応じてスライスを作成し、ネットワーク監視を自動的に開始するのはもちろん、監視中に遅延などを検知したらService Directorにフィードバックしてスライスを再作成するといった一連のオペレーションを自動化し、真のゼロタッチを実現しようとしている。

コスト削減とサービス品質の向上、顧客満足度の向上といったさまざまな目標は、開通業務や監視業務をそれぞれの領域で個別に自動化しているだけでは達成が困難だ。「連携した上で自動化を図らなければ、真の自動化や収益向上、コスト削減にはつながりません。それによって初めてゼロタッチのOSSが実現できると考えています」(山本氏)

同時に汎用サーバー・仮想化基盤とネットワークアプリケーションの組み合わせへというネットワークの変化に適応し、さらに5Gをはじめとして発展を続ける通信仕様に柔軟にアップデートしていく仕組みとして、OSSソリューションを提供していく。

通信事業者の競争環境は今後も厳しさを増していく。その中を生き残り、さらに発展していくために、最先端かつ高度なOSSソリューションを提供するHPEがよきパートナーとなるだろう。

<お問い合わせ先>
ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)
E-mail:JPN_CTG_EVENT@hpe.com
カスタマーインフォメーションセンター:0120-268-186
URL:https://www.hpe.com/jp/ja/solutions/communications-industry-transformation.html

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