リモートアクセスに仮想デスクトップ… 震災で注目の「テレワーク環境」はどう作る?

東日本大震災を受けて、企業はBCP(事業継続計画)の根本からの見直しを迫られているが、そこで脚光を浴びているのがテレワークである。災害時や輪番操業時にも自宅などで業務を継続できるテレワーク環境は、どのように構築すればいいのだろうか。

「震災後半月間の申し込み数は、平時の10倍」――。3月11日に発生した東日本大震災は、東北に甚大な被害をもたらすとともに、首都圏でも多くの帰宅難民を生み出した。その後間もなく計画停電の実施が決まり、週が明けた14日朝から駅は通勤困難者でごった返した。

リモートアクセスソリューション「マジックコネクト」を提供するNTTアイティの場合、3月14日からマジックコネクトへの問い合わせが殺到したという。「導入検討中あるいは試行中だったお客様からは『すぐに本導入したい』、すでに利用中のお客様からは『ライセンス数を拡張したい』との要望が相次いだ」と、マジックコネクト営業本部・担当部長代理の澤瀬順一氏は話す。

マジックコネクトは、自宅のPC等からインターネット経由で会社内の自席PCにアクセスし遠隔操作するソリューションだ(図表)。専用のUSBキーを手元のPCに挿し込むだけで、内部のソフトウェアが起動し、中継管理サーバーを介して社内PCにつながる。中継管理サーバーは、ユーザー企業が自営するほか、NTTアイティがデータセンター内で運用するものをASP型で利用することも可能だ。後者であれば、短期間で利用開始できる。

図表 NTTアイティ「マジックコネクト」の仕組み
図表 NTTアイティ「マジックコネクト」の仕組み

ちなみに、NTTアイティ自身もマジックコネクトを今回の大震災では最大限活用したそうだ。通勤が困難で自宅待機を余儀なくされた社員は、インターネット経由で社内PCを遠隔操作し、顧客からのメール問い合わせへの対応など在宅でも処理可能な業務を担ったという。

月刊テレコミュニケーション2011年5月号から再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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