――欧米と比べて、日本はユニファイドコミュニケーション(UC)の普及が遅れているという話をよく耳にしますが、実際のところ、日本企業のUC導入状況はどうなっているのでしょうか。
千村 確かに「ユニファイドコミュニケーション」という言葉の認知度は、必ずしも高くないかもしれません。しかし、日本企業のUC導入が欧米企業より遅れているかというと、そんなことはないと思います。
――そうなのですか。
千村 例えば音声通話のFMCを導入する企業が日本では増えていますが、このFMCもUCの一種といえます。しかし、FMCの導入企業に「UCを入れていますか?」と訊ねても、おそらくは「入れてない」との答えが返ってくるはずです。
欧米企業のUC導入率が高く見える要因の1つには、「これがUC」という共通認識が出来ていることがあると思います。ユニファイドメッセージにリアルタイムコミュニケーションが加わったものがUCという共通認識が、ベンダーだけでなくユーザー企業の間にもしっかりあるのですね。
――ですから、「UCを導入していますか?」と聞けば、ちゃんと「はい」という答えが返ってくる。
千村 そうです。一方、日本のUCは欧米と違って、VoIPやFMCが出発点となっていますが、こうした「日本型UC」がUCであるという認知はまだ広まっていません。それで普及率が低く見えてしまうのだと思います。客観的なデータはありませんが、VoIPやFMCなどを起点とした「日本型UC」も対象にすれば、日本のUC導入率は高いというのが私の実感です。
――なるほど。欧米型UCは普及していないけれど、日本型UCの普及は進んでいるということですね。
IPTPC OKI代表の千村保文氏 |