ユニファイドコミュニケーション集中講義[最終回]広がる「日本型ユニファイドコミュニケーション」とは?

IPTPC(IP電話普及推進センタ)の千村氏と竹井氏を講師に招き、ユニファイドコミュニケーション(UC)に関して基礎から学んでいく集中講義シリーズ。最終回となる今回は、欧米型UCと違った発展を遂げる「日本型UC」について聞きました。

――欧米と比べて、日本はユニファイドコミュニケーション(UC)の普及が遅れているという話をよく耳にしますが、実際のところ、日本企業のUC導入状況はどうなっているのでしょうか。

千村 確かに「ユニファイドコミュニケーション」という言葉の認知度は、必ずしも高くないかもしれません。しかし、日本企業のUC導入が欧米企業より遅れているかというと、そんなことはないと思います。

――そうなのですか。

千村 例えば音声通話のFMCを導入する企業が日本では増えていますが、このFMCもUCの一種といえます。しかし、FMCの導入企業に「UCを入れていますか?」と訊ねても、おそらくは「入れてない」との答えが返ってくるはずです。

欧米企業のUC導入率が高く見える要因の1つには、「これがUC」という共通認識が出来ていることがあると思います。ユニファイドメッセージにリアルタイムコミュニケーションが加わったものがUCという共通認識が、ベンダーだけでなくユーザー企業の間にもしっかりあるのですね。

――ですから、「UCを導入していますか?」と聞けば、ちゃんと「はい」という答えが返ってくる。

千村 そうです。一方、日本のUCは欧米と違って、VoIPやFMCが出発点となっていますが、こうした「日本型UC」がUCであるという認知はまだ広まっていません。それで普及率が低く見えてしまうのだと思います。客観的なデータはありませんが、VoIPやFMCなどを起点とした「日本型UC」も対象にすれば、日本のUC導入率は高いというのが私の実感です。

――なるほど。欧米型UCは普及していないけれど、日本型UCの普及は進んでいるということですね。

IPTPC OKI代表の千村保文氏
IPTPC OKI代表の千村保文氏

IPTPC(IP電話普及推進センタ)

IPTPCは、IP電話システム構築を実現するための知識・技術を持った技術者の育成をサポートする団体。2002年11月よりIP電話システムに関わる技術者の早期育成を目的とした「IPTPC VoIP認定技術者制度」の運営を行っており、OKI、NEC、日立製作所、岩崎通信機、富士通、パナソニック システムネットワークスの6社が参加する。現在、IPTPCの資格保有者の数は1万5000名以上

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