前編では、Office 365の新プラン「E5」の電話機能について詳しく見たが、後編ではもう1つの注目ポイントであるインテリジェントツールの強化に焦点を当てる。
Office 365のインテリジェントツールの強化ポイントは大きく2つある。ビジネスインテリジェンス(BI)ツールである「Power BI Pro」と、組織内の連携・コラボレーションの状況を分析/可視化する「Delve Analytics」だ。
Power BI Proは、従来は高度な知識を持った専門家でなければ扱えなかったデータ分析ツールを、一般の社員でも活用できるようにしたもの。日本マイクロソフトの輪島氏によれば「操作が容易で、普段使い慣れたExcelの操作の延長線上でデータ分析ができる」という。
データ分析というとこれまでは、専門家が1カ月に一度といった頻度で経営層に対して定期レポートを出すといったものが一般的だったが、Power BI Proは「現場の社員一人ひとりがデータから気付きを得たり、手元で試行錯誤したりと、データをビジネスの武器にする」ことを目的としている。ユーザーがE5に移行すると同時にExcel上にPower BI Proのアイコンが表示され、そこから機能を使い始めることができる。
もう1つのDelve Analyticsは、組織・人がどのように連携しているのか、組織がどのような業務にどの程度の時間を費やしているのかを分析・可視化するツールだ。Officeを使った作業や、Exchange、Skype for Business等を使ったコミュニケーション/コラボレーションなど、ユーザーがOffice 365上で行う活動のデータを機械学習技術によってすべて分析することで、人・組織の結びつきの状況を数値化する。
これにより、「誰が有益なナレッジを持っているのか、誰と誰が、どの組織とどの組織が連携するとよいのかなど、組織横断で連携のヒントを見つけ出すことができる」(輪島氏)のだ。