Office 365新プランの狙い[前編]――「電話もクラウドへ」が一気に加速

Office 365の新プラン「E5」の提供が始まった。目玉は、内線電話のクラウド化と機械学習・分析技術の活用だ。どちらとも、企業のコミュニケーション/コラボレーション環境を大きく変革するパワーを秘めている。前編では、E5の電話機能について見ていく。

12月1日から「Microsoft Office 365」の新プラン「Enterprise E5(以下、E5)」の提供が始まった。日本マイクロソフトは中小企業向けの「Office 365 Business」や、300名以上の企業を対象とする「E1」「E3」「E4」など複数のプランを提供しているが、これまでの最上位プランであったE4に代わるのがE5だ。

E5では、(1)コラボレーション、(2)インテリジェントツール、そして(3)セキュリティの3 つの分野で大幅な機能強化が行われた(図表1)。目玉の1つは、コラボレーションの分野において“電話のクラウド化”へと踏み出したこと。もう1つが、機械学習の技術を使って人や組織の連携・コラボレーションを効率化するインテリジェントツールだ。そして、こうした先進的な機能を安全に、リスク・制約のない状態で活用できるようにするセキュリティも強化し、顧客企業のワークスタイル変革を一層推進しようとしている。

図表1 Office 365 E5の主要ポイント
Office 365 E5の主要ポイント

日本マイクロソフトは現在、クラウドビジネスを主軸とする戦略へと転換を進めており、2年後には売上高の50%をクラウドにするという目標を掲げている。アプリケーション&サービスマーケティング本部 Officeエンタープライズグループでシニアプロダクトマネージャーを務める輪島文氏は「Office 365はその中核製品であり、今回のE5提供開始は目標達成への大きなドライバーになる」と話す。

では、具体的にE5でOffice 365はどう変わったのか。マイクロソフトの狙いとあわせて詳述していこう。

月刊テレコミュニケーション2016年1月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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