ユニファイドコミュニケーション最新製品ガイド(後編)クラウド/マルチデバイス時代にさらに適応した「Microsoft Lync 2013」

スマートデバイスの普及をトリガーにユニファイドコミュニケーション(UC)の進化が加速している。最近登場した2つのUC基盤製品を取り上げ、UCの今をレポートする。後編で紹介するのは「Microsoft Lync 2013」だ。

日本マイクロソフトは、UCプラットフォームの最新バージョン「Microsoft Lync 2013」の国内提供を開始した。Officeビジネス本部 プラットフォームマーケティンググループ エグゼクティブプロダクトマネージャーの小国幸司氏は開発の背景について、「クラウド、デバイス、ソーシャルといった要因で企業コミュニケーションの背景が変化している」と語る。

今や、スマートデバイスを操作してクラウド上のアプリケーションを利用したり情報にアクセスすることが一般的になっている。ソーシャルネットワークを活用するビジネスパーソンも増えている。

Lync 2013は、そうしたスタイルの変化に対応した。Windows OS、iOS、Android、Windows PhoneとマルチOS/マルチデバイスをサポート。電話やIM/プレゼンス、Web会議などのコミュニケーションを可能にする統合モバイルクライアントをリリースする。デバイスに依存せずクラウドや企業内コミュニケーションシステムを利用できるようにするという人中心の視点からLyncを強化したわけだ(図表1)。

図表1 Lync 2013の特徴
Lync 2013の特徴

Office/Skypeとの連携も強化

多様なデバイスへの対応という点で見逃せないのが、Windows 8/RTに最適化したアプリケーションを開発していること。Windows 8搭載のスレートPC等で、タッチ操作により直感的にコミュニケーションが行える。

Lync 2013
Windows 8タブレットのUIに最適化された専用クライアント

PCやスマートデバイス向けの標準クライアントについても、UI、操作性が改善が図られた。電話やIM、Web会議などのツールごとにアプリケーションを切り替えることなく、目的に応じたコミュニケーションを選択できる。WordやExcel、Outlook等のOffice製品の画面上でも、人名の横にはプレゼンスが表示され、そこから各種コミュニケーションツールを起動できることは、従来からLyncの特徴の1つ。例えば、PCからWeb会議を開催したり、IMから電話やWeb会議に移行するといったアクションも、Outlook画面のボタン操作で行えるようになっている。IMやWeb会議など個々のアプリ操作を意識せずに、クリック1つでその時々にふさわしいコミュニケーションをシームレスに利用できる。

Skypeとの連携も重要な強化ポイントに挙げられる。LyncユーザーとSkypeユーザーとの間で通話やIMなどが簡単に行えるようになった。例えば、海外出張中の社員や、パートナー企業の社員がLyncを使えない場合でも、Skypeを用いればLyncユーザーとシームレスにコミュニケーションができる。特に、グローバルにビジネスを展開している企業にとって有用な機能だ。

Lync 2013のWeb会議画面
Lync 2013のWeb会議画面。複数参加者のカメラ画像を表示したいという、日本のユーザーの声にも応えた

企業外部とのコラボレーションという点では、「外部フェデレーション(相互連携)」機能もLync 2013の特徴だ。例えば、Web会議のURLをパートナー企業の社員に送り、受け取った相手がURLをクリックすればブラウザからWeb会議に参加できる仕組みを用意した。複数の企業と共同でプロジェクトを進める場合に、社外のパートナーと随時、Web会議でチャットしたり資料共有が行えれば、ビジネススピードは向上する。

月刊テレコミュニケーション2013年3月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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