OTSLのブースに展示されている、ZigBeeを活用した位置特定システムが面白い。
ブース内で行われていたのは、自律型のロボットの位置情報をZigBeeによって特定するというデモ。周囲に設置された複数のZigBee対応アンカーポイント(AP)がロボットに取り付けられたタグの電界強度を測ることで、そのロボットが今どの位置にいるかを特定できるようになっている。
ZigBeeを活用した位置特定システムのデモ。周りに設置された複数のAPが、ロボットに付けられたタグの電界強度を計測し、位置を特定する |
こうした位置特定システムとしては、無線LANを利用したものもあるが、ZigBeeを利用するメリットの1つは精度の高さだという。ブース内のデモでは、20cm四方のどこにいるかまで特定できていた。
このようにロボットの位置を特定できる |
説明員によると、OTSLでは、ある工場で近々この位置特定システムを使った実証実験を行うそうだ。自動搬送ロボットの走行を、ZigBeeで制御する実験である。
従来、自動搬送ロボットは、床に磁気テープを貼るなどして走行ルートを制御していた。それがこの位置特定システムを活用することで、磁気テープの貼り替えなしに、工場の稼働状況などに応じて、ルートを柔軟に変更できるようになる。先ほど無線LANとの違いとして精度の高さを紹介したが、このような用途でまさにこの点が活きてくるのだろう。
このほか、保守員や医療従事者、患者、高齢者などの位置特定、動線の分析による最適化、モノの検索の短縮化といった用途を想定しているという。