<特集>5G-Advancedのチカラ5G新ミリ波を最大8GHz幅開放 26/40GHz帯の割当で何が変わる

新たな5Gミリ波「26GHz帯/40GHz帯」が2026年春にオークションで割り当てられる。最大8GHz幅の帯域が開放されることで5Gビジネスの姿が大きく変わる可能も出てきた。

5G-Advancedの展開に向けて、新たな周波数帯を割り当てるための技術検討が2024年12月6日、情報通信審議会(情通審)新世代モバイル通信システム委員会で始まった。

割当てが検討されているのは、25.25~27GHz(26GHz帯)と37.0~43.5GHz(40GHz帯)の2つ(図表1)。2019年に初の5G用周波数帯として、3.7/4.5GHz帯(Sub6)とともに4事業者に割り当てられた28GHz帯と同じ「ミリ波」に属する帯域だ。

図表1 2025年度末に割当てが見込まれている2つの周波数帯

図表1 2025年度末に割当てが見込まれている2つの周波数帯

これらの帯域は、2019年の世界無線通信会議(WRC19)において移動通信での利用が合意されており、日本では当初2020年度中の割当てが検討されていた。

共用条件の厳しさなどから早期の導入は見送られたが、2023年に周波数再編アクションプラン(令和5年度版)で26/40GHz帯を「令和7年(2025年)度末を目途に、5Gに割り当てることを目指す」方針が改めて打ち出された。今回の検討はこれを受けたものだ。

5G-Advanced時代への布石

モバイル通信で使われる周波数帯のうち24.25GHzより上の帯域を意味するミリ波(FR2)は、5Gの特徴の1つである超高速・大容量通信の実現に不可欠な広い帯域幅を確保しやすい。そのため日米欧、韓国、台湾など多くの国で5Gに割り当てられている。

他方、周波数が非常に高いため、電波が物陰にほとんど回り込まず面的なエリア構築が難しいという弱点がある。端末も割高だ。そのため、当初5Gにミリ波のみが割り当てられた米国を除いて利用が進んでいない。

こうした中で実施される新たなミリ波の割当ては、5G-Advanced/6G時代の大容量インフラの整備に向けた布石としての意味を持つ。

新世代モバイル通信システム委員会の事務局を務める総務省の乾浩斉課長補佐は「直近のモバイルトラフィック増加トレンドを見ると、Sub6以下の帯域でまかなえなくなる時期が必ず来る。将来に向けてミリ波をどう活用するかを考えていかないと安定した通信が実現できなくなる」と狙いを説明する。

総務省総合通信基盤局 電波部移動通信課 課長補佐 乾浩斉氏

総務省総合通信基盤局 電波部移動通信課 課長補佐 乾浩斉氏

モバイル通信事業者(MNO)が整備を急ぐSA(Standalone)網による多様なサービスの展開には、都市部で特にトラフィックが集中するエリアの通信容量拡大が欠かせない。

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