地域ごとに独立した多段構成のため、増速や構成変更に多くの手間がかかる。運用も地域・拠点ごとにバラバラ。どこかでマルウェア感染が起こっても、感染源の特定と復旧に必要な情報収集さえままならない──。
規模が大きいうえに多様な通信事業者/ベンダーが関わり、しかも国・地域ごとに環境が異なるグローバルネットワークは、設計構築も運用も大変だ。こんな状況に頭を悩ませてきた管理者は少なくないだろう。
しかし、これらの課題をいつまでも放っておくわけにはいかない。デジタル化が加速する昨今、通信ネットワークの性能劣化や硬直化は企業活動の停滞を招く。企業ITのクラウドシフト、セキュリティ脅威の増大、そしてIT/セキュリティ人材の不足といった問題がグローバルネットワークに刷新を迫っている。
そのトレンドを一言で言えば「標準化」だ。NTTコミュニケーションズ(NTT Com)ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部 デジタルソリューション部門の黒宮教之氏はこう話す。
「MPLSからインターネットへのシフトする企業は確実に増加しており、それに伴ってセキュリティのあり方も変わる。グローバル規模でゼロトラストを前提としたネットワークを作る企業が増えていることは間違いない。世界中の拠点を同じ仕組み、同じセキュリティになるように標準化する」
MPLSをインターネットに変え、ネットワークとセキュリティの構成や運用体制を世界共通のフラットな状態とし、一元管理できる環境を作り出す。そんなグローバルネットワークを作るには、どんなステップを踏めばいいのか。