人々がどう移動し、いつどこに何人いたのかを知ることができる「人流データ」。スマホの普及で人流データの取得が容易になり、マーケティングやまちづくり、観光、防災など、様々な用途に活躍している。
ただ、現状の人流データには、大きな課題がある。基本的には緯度・経度の二次元の位置情報であって、「高さ」は分からないことだ。駅ビルを例にとれば、平面の人流データだけでは乗降客か買い物客かは判別できない。
だが2025年、人流データはいよいよ「三次元」になる。ブログウォッチャーとMetComが、高さも含んだ三次元人流データの試験的提供を2025年1月頃から開始予定だからだ。ブログウォッチャーは、リクルートと電通が出資する位置情報データサービス大手。MetComの垂直測位サービス「Pinnacle」を利用して人流データを三次元化する。
MetCom 取締役の荒木健吉氏は人流データの三次元化を「テレビが白黒からカラーになるようなもの」とたとえる。駅ビルに話を戻せば、3階のレストランフロアにいるのか、2階のショッピングフロアにいるのか、あるいは地下1階の駅のプラットフォームにいるのかまで把握可能になる。