<特集>ネットワーク未来予想図2025IOWN2.0でコンピューティングも光化 APNの伝送容量は6倍へ

2025年、IOWNは伝送容量に加え、使い勝手も向上していく。「IOWN2.0」においては、IOWNがコンピューティングの世界に入り込んでいく。そのカギとなるのが、「ディスアグリゲーテッドコンピューティング」だ。

NTTの次世代ネットワーク構想「IOWN」は、「電力効率100倍」「伝送容量125倍」「遅延1/200」という野心的な目標の達成を目指している。2023年3月には、IOWNの商用サービス第1弾「APN(オールフォトニクス・ネットワーク) IOWN1.0」がリリースされ、都市間やデータセンター(DC)間のネットワークをエンドツーエンドで光化することが可能になった。

そして2025年度からは、このAPN IOWN1.0が第2フェーズに突入する。NTTの研究成果等を発表するイベント「NTT R&Dフォーラム 2024」の基調講演に登壇したNTT 執行役員研究企画部門長の木下真吾氏によると、3ステップでAPNが進化していく構想を描いているという。

NTT 執行役員 研究企画部門長 木下真吾氏

NTT 執行役員 研究企画部門長 木下真吾氏

「これまでのステップ1では、従来比1.2倍の伝送容量にすぎなかったが、2025年度からのステップ2では6倍以上になる。ネットワーク部分の電力効率も13倍に向上する」と同氏は説明した。2024年12月には、APN IOWN1.0を進化させたAPN接続サービス「All-Photonics Connect powered by IOWN」を提供開始(図表1)。ユーザーが占有できる帯域は従来100Gbpsだったが、それを世界最高水準となる800Gbpsへ引き上げた。

図表1 「All-Photonics Connect powered by IOWN」の提供イメージ

図表1 「All-Photonics Connect powered by IOWN」の提供イメージ
ステップ2では、ユーザー企業にとっての使い勝手も大きく向上する。インターフェースについては、光伝送専用規格のOTU4に加え、イーサネットにも対応。また、回線の終端装置をNTT局舎に置くことで、顧客拠点に設置する終端装置を不要にし、設備の省スペース化・省電力化を実現した。

2028年度以降のステップ3では、伝送容量が125倍に到達する見込みだ。必要なタイミングで必要な帯域・通信経路を確保する「オンデマンド光パス制御技術」も実装予定(図表2)で、これにより、接続先を柔軟に切り替えたり、熟練作業者が数時間かけて行っていた光波長パスの設定を数分で自動設計することも可能になるという。

図表2 APNの進化

図表2 APNの進化

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