東京エレクトロン デバイス(TED)は2025年1月15日、同社が提供するArista Networks社とFortinet社の製品が、理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS)のスーパーコンピュータ「富岳」を支える基幹ネットワークの刷新に採用されたことを発表した。
富岳に接続されるデータ量が増加するなか、R-CCSでは、2022年4月に運用開始した学術情報ネットワーク「SINET6」の導入に合わせて、富岳がより多様な研究に活用されることを目指し、ネットワーク基盤の刷新とデータセンターを冗長化するプロジェクトを開始した。
ネットワーク構成概要図
本プロジェクトでは、400Gbpsへの増速化とともに、可用性を確保するため、データセンターの冗長化が求められていた。さらに、研究者からのニーズに迅速に対応できるよう、これまで外部業者に委託していたネットワーク運用を内製化し、自らの手で設計・運用する体制に変更することを決定したという。
TEDは、R-CCSの新しいネットワーク構築を支援するため、3つの製品と技術を提供した。400Gbps対応の「Arista 7280R3シリーズ」スイッチと「FortiGate 4800F」ファイアウォール。そして、テレメトリ監視ソフトの「CloudVision」だ。
新ネットワークでは、富岳とSINET神戸データセンターとの間を400Gbpsの専用線で接続。さらに、SINET大阪データセンターとダークファイバーを用い、400Gbpsを2チャンネル多重化して800Gbpsで接続し、合計3回線、総帯域幅1.2Tbpsの高速な接続と冗長化を実現した。