NTTコムウェア、NTTデータグループ、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)、三菱ケミカルグループは2024年12月20日、IOWN APN(オールフォトニクス・ネットワーク)を活用したロボットの遠隔操作と、AIを用いた映像解析による工場設備の遠隔点検の共同検証を行ったと発表した。
今回の検証場所では、疑似工場(東京お台場)と疑似保守拠点(東京・五反田)間をAPNで接続した。HBA社製の点検ロボット「HBA SMART ROBOT」のアームに取り付けたカメラで撮影した映像をもとに、画像認識AI「Deeptector」が検知した壁面上のパイプの亀裂等をAPN経由で保守拠点のデジタルツイン空間に反映。4K 60fpsの高解像度映像をAPNを通じて送信することで、遠隔地においても遅延を感じることなく亀裂の検知や解析が可能であり、設備点検への実用化が可能な水準であることが確認できたという。
画像認識AIによる亀裂検知イメージ
また、Unitree製の犬型ロボット「Unitree Go2」をAPNを介して遠隔操作し、Unitree Go2に備え付けられているカメラから撮影された映像をもとに、検査対象物であるパイプの振動をAIで解析した。結果、遠隔地の作業者が、カメラからオンデマンドに配信される映像を遅延なく操作でき、映像を見ながらPCのキーボードやリモコンでUnitree Go2を遠隔操作できることを確認したという。
検証イメージ
さらに、CPUを介さずにメモリーへの高速なデータ通信を可能にする「RDMA(Remote Direct Memory Access)」カメラを用いてAPN上での大容量映像をリアルタイム伝送する検証を実施。今回のRDMAによる伝送は、一般的なTCP伝送と比較して、CPU負荷が6%軽減され、消費電力の抑制効果も確認できたとしている。