ソフトバンクと富士通は2024年11月13日、AIとRAN(無線アクセスネットワーク)を統合する新しいアーキテクチャーであるAI-RANの2026年以降の実用化に向けたパートナーシップの強化について、10月25日に覚書を締結したと発表した。
これに基づき、両社はAIを適用することでRANの性能を最大化させるソフトウェアの研究開発を行う。屋外実証実験を踏まえて、さらなる実用化に向けて、AIにより実環境で通信性能を最大限まで引き出すためのソフトウェア開発とその実証に取り組む。
なお、ソフトバンクと富士通は、2024年10月からソフトバンクが実施しているAI-RANの屋外実証実験において協力している。富士通は「NVIDIA GH200 Grace Hopper Superchip」上で動作する、「NVIDIA AI Aerialプラットフォーム」をベースに開発されたL1ソフトウェアに対応したvRAN(仮想無線アクセスネットワーク)ソフトウェア、およびRadio Unit(無線機)を提供しており、両社は、1サーバー当たり20セルの同時通信を高品質に動作可能であることを確認しているという。
また、AI-RANを構成するハードウェア、ソフトウェアおよびアプリケーションの検証や、新たなビジネス創造の場として、富士通の拠点がある米国テキサス州ダラスに、共同でAI-RANの検証ラボを設立する予定だ。この検証ラボでは、技術検証を行うとともに、AI-RANの理解およびエコシステムの拡大を図る。これにより、グローバル市場におけるAI-RANの実用化を推進していくとしている。