「オール光ネットワークをホテルのLANに導入する動きが、欧米やアジアで拡大してきました。日本でも複数の引き合いが出てきています」。こう説明するのはファーウェイ・ジャパンの馮景春氏だ。
(右から)ファーウェイ・ジャパン 専務執行役員 ICT マーケティング & ソリューションセールス本部 本部長 馮景春氏、同 ICT マーケティング & ソリューションセールス本部 光技術ソリューションセールス部 部長 曾小虎氏
ホテルでの採用が進むのは、通信事業者のFTTH(Fiber To The Home)サービスに使われているPON(Passive Optical Network)技術を、オフィスなどのLANに適用したソリューションだ。FTTO(Fiber To The Office)とも言われる。
ファーウェイのオール光ネットワークは例えば図表1のような構成になっている。OLTに接続された光ファイバーを光スプリッターで分岐させ、客室などに設置された多数の光APや光HUBを収容。光APはONT機能を搭載したWi-Fiアクセスポイントで、この光APや光HUBを介して宿泊客や従業員はネットワークに接続する。ファーウェイの中大規模ホテル向けOLTは4~112のPONポートを装備し、1ポートあたり最大64台の光APと光HUBを収容できるため、1台で256~7168台の光APと光HUBを収容可能だ。
図表1 ホテルでのオール光ネットワークの構成例
現在のLANは、メタリックケーブル(LANケーブル)を多く使うイーサネットLANが主流だ。コアスイッチとアクセススイッチ間は光ファイバーで接続するケースが多いものの、配線の大半はLANケーブルである。ファーウェイのオール光ネットワークは、エッジ部分を含むLAN全体を光化する。