NTT東日本のローカル5G事業に当初から取り組んできた、ビジネス開発本部無線&IoTビジネス部5G/IoT企画担当の大石卓哉担当課長は、次のように話す。
「ギガらく5Gを始めて2年、昨年暮れあたりから中堅企業から様々な引き合いが増えています。その中で、地理的条件が厳しい場所にも導入したいという要望をたくさんいただき、環境の困難なところにも簡易にローカル5Gを構築できるように、新たにコンパクトタイプのセットアップが簡便なローカル5G基地局を提供することとしました」
NTT東日本のマネージド・ローカル5Gサービス「ギガらく5G」は「月額基本利用料約30万円」というインパクトのある料金によって、「PoCは行われるが実導入になかなか進まない」といわれてきた市場の状況を打ち破り、それまで様子見だった中堅企業・中小規模企業の導入推進の先導役を果たしてきた。
そうした実績を踏まえて、さらに導入しやすい製品と機能で、これまでは難しかった分野においても、高まってきた導入意欲に応えようというのだ。それが「ギガらく5G セレクト」だ。
コンパクトな基地局
ギガらく5G セレクトには3つの特徴がある。第1は、従来ローカル5Gを利用する際に必要だった複数のサーバ等の機器を集約しコンパクトな機器構成にすることで、ローカル5G環境をより簡易に構築できるようにしたことだ。
図表がギガらく5G セレクトのサービス概要構成だ。これまでラックに収納されていた様々なローカル5G機器を、「ローカル5G基地局」「5Gコア装置」「アンテナ」の3つに集約している。
図表 ギガらく5G セレクトのサービス概要
コンパクト化しただけなので、基地局機能は基本同じだ。ギガらく5Gの大きな特長だった準同期TDDに対応しており、アップリンク最大432Mbps、ダウンリンク最大480Mbps※とギガらく5Gと遜色のないスペックとなっている。作業現場の精細映像を重視する企業では威力を発揮する。コンパクト化で実用場面が増え効果を生むようになる。