ゼットスケーラーは2024年9月26日、メディアラウンドテーブルを開催。年次イベント「Zenith Live」に合わせて来日中の本社幹部らが、サイバー攻撃の最新動向や日本市場における取り組みを紹介した。
(左から)Zscaler 最高セキュリティ責任者兼セキュリティリサーチ部長 ディーペン・デサイ氏、ゼットスケーラー 代表取締役 エリアバイスプレジデント 金田博之氏、Zscaler 最高収益責任者兼グローバル セールス責任者 マイク・リッチ氏、同 新製品イニシアチブ担当シニアバイスプレジデント ラジ・クリシュナ氏
データを不正に暗号化し、復元と引き換えに身代金を要求するランサムウェア攻撃は、日本でも猛威を振るっている。ゼットスケーラーによると、2023年4月~2024年3月の1年間の攻撃件数は42件。国別件数ではグローバルで14番目、アジア太平洋地域ではオーストラリア、インドに次いで3番目に多いという。
業界別では製造が最も多く39.5%、以下、テクノロジー13.2%、コンシューマー10.5%などとなっている。ランサムウェア攻撃を仕掛けるグループは様々あるが、日本における攻撃者は「LockBit」と「BlackCat」が40%余りを占める。なかでもBlackCatは、「サイバー攻撃の対象となる組織に対する初期アクセス手段をダークウェブ上などで販売するイニシャルアクセスブローカーと連携し、攻撃を行っているのが特徴」とZscaler 最高セキュリティ責任者兼セキュリティリサーチ部長のディーペン・デサイ氏は説明した。
日本では製造業が最も狙われている
このような状況の中で、日本企業におけるゼロトラストセキュリティに対する関心が高まっている。ゼットスケーラーの過去5年間の年間経常収益(ARR)の成長率は約10倍、年間契約額(ACV)の成長率は約5倍。また、ゼットスケーラーのゼロトラストセキュリティソリューションを導入している企業は現在、600社以上にのぼる。日本の株式市場を代表する株価指数である「日経225」の企業の60%が顧客だが、最近は中堅・中小企業の導入も非常に増えているという。「ゼロトラストはコロナ需要から、経営のストラテジーへと進化している」とゼットスケーラー 代表取締役 エリアバイスプレジデントの金田博之氏は語った。