9月28日~29日の2日間、東京・品川で開催されている日本マイクロソフトのプライベートイベント「The Microsoft Conference 2011」。なかでも人気を集めているのがマイクロソフトの最新スマートフォン、Windows Phone関連のセッションだ。事前登録の状況を見ても、ほとんどのWindows Phone関連セッションが「満席」となっている。iPhone、Androidと比べるとだいぶ出遅れはしたが、やはりWindows Phoneへの関心は非常に高いようだ。企業システムにおいて大きな実績のあるマイクロソフトのスマートフォンだけに、特にビジネスシーンでどのような特徴を有するのか、注目している企業が多いにちがいない。
この記事では、日本マイクロソフト コミュニケーションズ パートナー統括本部 エグゼクティブ プロダクト マネージャーの中島憲彦氏による講演「ビジネスを加速するWindows Phone & クラウド」の概要をレポートする。
「マイクロソフト製品は連携したときに強い」
中島氏がiPhoneやAndroidなどの競合スマートフォンと比較したWindows Phoneのアドバンテージとして強調したのは「総合力」である。「マイクロソフト製品は連携したときに強い」(同氏)。
企業ユーザーにとって、とりわけ価値が高そうなのはExchange Serverとの相性の良さだ。iPhoneやAndroidでもExchangeとの連携は可能だが、「同じ土俵にいるわけにはいかないので、Windows Phoneはさらにいい機能を実装している」。例えば、Officeの情報保護機能であるIRM(Information Rights Management)で保護されたメールを表示できたり、複数アカウントのメールやスケジュールを統合できるなどの違いがあるという。
また、当然ながらSharePointやOffice 365などとも高い親和性を持っている。
Exchangeなどマイクロソフト製品との親和性の高さがやはりWindows Phoneの魅力 |
Windows Phoneのセキュリティの基本的考え方とは?
企業のIT部門にとって最も大切な要件の1つであるセキュリティに関してはどうか。中島氏は、Windows Phoneのセキュリティに対する基本的な考え方について、「最初からウイルスが入らないようにしておけばいい。また、何があってもデータが盗まれないようにしておけばいい、という発想」と語った。
具体的にはまず、アプリケーションから他のアプリのファイルは見えないようになっているという。アプリの自由度は下がるが、これならウイルスも悪さのしようがほとんどない。また、アプリはマイクロソフトの公式マーケットプレイス上の審査をパスしたものしかインストールできないため、そもそもウイルスに感染する可能性も極めて低いとのことだ。
このほか、PCに接続してもWindows Phoneのファイルシステムは見えない、取り外し可能なSDカードはサポートしないなどの措置により、セキュリティを高めているという。「だから、最初に購入した時点でパスワードさえかけてしまえば、Windows Phoneは安全。いざというときも、Exchangeからリモートワイプが行える」。
なお、企業ユースでは、自社開発したアプリを社員や会員などだけに配布したいケースも多い。前述の通りサイドローディングが禁止されているWindows Phoneの場合、マーケットプレイス以外からのアプリのインストールはできないが、どうすればいいのだろうか。中島氏によれば、アプリ登録時にフラグを立てることでマーケットプレイス上での検索にヒットしないようにすることができるという。