トヨタカローラ神奈川のモバイルO2Oへの挑戦「社員の10年先の幸せをスマホで拓く」

“若者のクルマ離れ”が指摘されるなか、どうすれば若年層の顧客との絆を深められるのか。トヨタカローラ神奈川は、スマートフォン用アプリ「C-CONCIERGE」を独自開発。スマートフォンを活用して店舗に誘導する「モバイルO2O」に取り組んでいる。

モバイルO2Oで着実に深まる顧客との絆

C-CONCIERGEの導入から1年以上。顧客との絆は、着実に深まっているようだ。

「最近うれしかったのは、『プレゼントをもらいに来るだけでも、ふらっと来れる感じがいいね』とお客様から言われたこと」。こう話すのは、溝ノ口店で業務スタッフを務める高城恵理菜氏だ。

全58店舗中、C-CONCIERGEのユーザー数が最も多いのが溝ノ口店だが、それは高城氏の貢献が大きいという。「店内にはC-CONCIERGEを紹介するポスターやポップが置かれていますが、興味のありそうなお客様がいると駆け寄ってご説明しています」

トヨタカローラ神奈川 石鍋憂也氏 トヨタカローラ神奈川 高城恵理菜氏
トヨタカローラ神奈川 溝ノ口店 営業担当
石鍋憂也氏
トヨタカローラ神奈川 溝ノ口店 業務スタッフ
高城恵理菜氏

溝ノ口店で営業を担当する石鍋憂也氏も、C-CONCIERGEの効果を実感している。「“クルマ屋さん”というと敷居の高いイメージもあると思いますが、そこをもっとフラットにできるのがC-CONCIERGE。プレゼントをもらいに来店された機会に、例えばショールームで新しい装備を紹介するなど、お客様と会話できるチャンスが増えました」と語る。

KDDIのiPhoneを営業スタッフ500名が活用

このようにスマートフォンを活用した顧客との絆づくりに取り組むトヨタカローラ神奈川。その一方で、約500名の営業スタッフにKDDIのiPhoneを配布し、スマートフォンを業務にも活用している。従来はiPhone 4Sだったが、最近iPhone 6に機種変更した。

「iPhone 6になったことで、スピードが格段に速くなりました。これまでは各店舗の従業員同士のコミュニケーションや、Google Mapsによるナビゲーションといった使い方が中心でしたが、iPhone 6になったことで、業務での使い方も今後どんどん変わってくると思います」

情報通信グループ グループマネジャーの乗附信英氏は、iPhone 6の導入を機に、スマートフォンの業務活用をさらに進めていきたい考えだという。

iBeaconの活用などC-CONCIERGEもさらにパワーアップ

C-CONCIERGEもさらなる進化を遂げていく。

文藏氏が明かしてくれたアイデアの1つが、iBeaconの活用。iBeaconとは、近距離無線通信規格のBluetooth Low Energyを利用した測位技術だ。特定の場所にスマートフォンユーザーが接近したことを把握することが可能で、「例えばショールームのクルマに近付くと、そのクルマのビデオ映像がスマートフォンにプッシュ配信される、といったことを考えています」という。

溝ノ口店のショールーム
溝ノ口店のショールーム

C-CONCIERGEのユーザー数は約4100人(3月時点)。現在は毎月約800人が、プレゼントを受け取りに来店しているそうだ。来店率にすると約20%である。「例えばDMの場合は大体7%、よくて12%なので、DMよりも効果は高いです」と文藏氏は評価する。

ただし、横田社長がC-CONCIERGEにかける期待はもっと高い。C-CONCIERGEの目標ユーザー数は2万5000人。「これくらいダウンロードしてもらえると、若い人にもかなりアピールでき、10年先が見えてくるかな、と考えています。10年後に全社員が幸せでいられる会社を作るために、何としてもC-CONCIERGEを成功させます」と意気込んだ。

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