ソフトバンクとトヨタ自動車が共同出資するMONET Technologiesは2025年7月10日、衛星ブロードバンドインターネットサービス「Starlink Business」のアンテナを搭載したマルチタスク車両を提供開始したと発表した。
マルチタスク車両は、車内のレイアウトを柔軟に変更して、医療や行政サービス、防災、現場事務所など様々な用途に活用できるMaaS向けの架装車両。これまでマルチタスク車両でStarlink Businessを利用する場合は、車両の近くにスタンド型のアンテナを設置してケーブルで接続する必要があり、設置にかかる手間や時間、悪天候下での作業の困難さなどに課題があった。
今回提供を開始した、Starlink Businessのアンテナを搭載したマルチタスク車両では、停車後に電源を入れて専用のアプリを操作するだけで通信ができ、アンテナの設置作業が不要になる。従来、アンテナの設置・設定に約30分を要していたが、アンテナを搭載した車両では設定のみの約5分で済んだという。
これにより、マルチタスク車両におけるサービス提供までの時間が大幅に短縮され、訪問場所や訪問回数の拡大など、運用効率の向上を実現することで、より多くのサービスを提供できるようになるとしている。また、Starlink Businessを利用することで、通信環境が整っていない地域や災害発生時でも、衛星通信による安定した通信環境と高速データ通信を利用可能になる。