「ネットワークパケットブローカー(以下、NPB)のイメージを変えていきたい。そのため最近は『ビジビリティファブリック』と言っている」。こう語るのはNPB専業ベンダー、Gigamon ジャパン・カントリー・マネージャーの大久保淳仁氏だ。
その名の通り、NPBはパケットの「ブローカー(仲介人)」である。スイッチのSPANポート(ミラーポート)やネットワークTAPからトラフィックを取得し、集約やコピー、負荷分散、さらにフィルタリングや重複排除などの最適化処理を行ったうえで、監視/セキュリティツールに引き渡す。
監視/セキュリティ用ネットワークの簡素化にとどまらず、トラフィックの最適化によりツール側の負荷も減らせるため、「ツール台数の大幅削減につながる」(大久保氏)のが導入メリットだ。
Gigamon ジャパン・カントリー・マネージャー 大久保淳仁氏
GigamonはNPB市場でトップシェアを長年維持し、例えば米Fortune 100企業の83社がユーザーだ。そのマーケットリーダー自ら、リブランディングに乗り出したのは一体なぜか。
トラフィックの集約やフィルタリングといった基本機能以外にも「多くの機能があることが、ほとんど知られておらず、もっと認知してほしいため」と大久保氏は理由の1つを説明する。
もう1つ重要な背景としてあるのは、ネットワークをめぐる環境変化だ。5Gがスタートし、今後トラフィックは爆発的に増えていく。ハイブリッドクラウド/マルチクラウド環境の可視化の必要性も高まっている。こうしたなか、ただの「仲介人」から「ビジビリティファブリック」へ、すなわち可視化基盤へと存在価値を高めていこうという戦略を描いているである。