Web会議選びのポイント(3)――用途で異なる「必要な機能」

「テレビ会議と何が違うのか」「製品の種類が多すぎる」「どの機能を重視して選ぶべきか」等々、Web会議の導入・選択に苦慮する企業が少なくない。 Web会議の特徴を整理しながら、その選択のポイントを全3回で解明する。最終回の今回は、機能面から選択ポイントを解説する。

用途によって「必要な機能」は違う

資料共有については、いくつか方法が分かれるので、ここで整理しておこう。大きく、「データ共有」「デスクトップ共有」「アプリケーション共有」の3種類がある。いずれも、プレゼンターのPC内のデータを他のPC画面に表示するという点は変わらないが、使い勝手や利用シーンは若干異なる。

データ共有は資料ごと、わかりやすく言えばウィンドウごとに他のPCに表示する機能だ。一方、デスクトップ共有は、画面全体が相手のPCに表示される。例えば、PCの操作を説明したり、ソフトウェアのデモを行ったり、複数資料を見やすく表示したりといったケースではデスクトップ共有が適する。

デスクトップ共有はプレゼンターのPC画面すべてを他参加者のPCに表示する
デスクトップ共有はプレゼンターのPC画面すべてを他参加者のPCに表示する

ここまでで大概の目的には対応できるはずだ。以下は、その他の機能について特に重要なものを説明していこう。

まず、アプリケーション共有だ。前述の2つと異なり、画面やデータを「見せる」だけでなく、遠隔PCに「操作させる」ことも可能だ。会議中にA拠点のPC内のデータをB拠点やC拠点の参加者も一緒に編集する、あるいは、Web会議を遠隔のPCのサポートに使う場合などに必須となる機能だ。

研修やセミナーなどを行う場合には、メディア再生機能やアンケート・投票機能は重要になる。AVIやWMAなどの映像コンテンツを利用すれば質の高い研修が可能になる。多数の聴講者の反応や意見を集約するのに投票機能は大いに役立つはずだ。

スマートフォンやiPadからも会議に参加

テレビ会議と同様の使い方をする場合には、高品質なHD映像で臨場感の高いコミュニケーションを行いたい場合もあるだろう。最近では、HDをサポートするUSBカメラが1万円以下の価格で手に入るうえ、ディスプレイも高解像度化が進んでいる。Web会議でも、Visual Nexus(OKI)、LiveOn(JMS)、Fresh Voice(エイネット)など、HD映像表示に対応した製品が増えてきている。

またもう1つ注意したいのが利用環境、つまり対応OSと端末だ。Windows PCだけで使えるものと、MacやLinuxでも使えるものがあるため、大規模に利用する場合や、外部と接続する場合などは考慮する必要がある。Webブラウザについては、どのサービスも複数のものに対応している。なお、海外とのコミュニケーションで使う場合は、当然、操作画面のインターフェースの対応言語にも注意したい。

さらに最近は、PCだけでなくスマートフォンやiPadで使えるものも出てきている。

PCだけでなく、スマートフォンやタブレット端末への対応も進んでいる。左はXperiaやiPadに対応した「V-CUBEミーティング」。シスコシステムズの「WebEx」(右)はすでにiPhoneアプリが31万ダウンロード、iPadアプリも8万ダウンロードの実績があるという

3GやWiMAXのデータ通信端末を使えばPCだけでも場所の制約は少なくなるが、モバイル端末で利用できれば、社外での使い勝手はより高まる。移動中などでどうしても参加できない重要な会議の要旨をモバイル端末でモニタリングするといったケースで重宝するはずだ。

iPadのようなタブレット端末ならば、社外だけでなく、集合型の会議において手元で資料を参照したり、書き込みを行う操作端末として使うというやり方も有用だろう。現在、V-CUBEミーティングとWebExが、スマートフォンやiPad用の専用アプリを提供している。

月刊テレコミュニケーション2010年10月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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