<特集>ローカル5Gのホント地方ローカル5Gの鍵握るCATV 先駆者の“生みの苦しみ”

県内8カ所にローカル5G基地局を整備する愛媛CATV。「地域で自由に使える電波」獲得のため、前例のない取り組みを手探りで進めてきた。免許申請の流れから構築の苦労やコスト、現状の課題などを聞いた。

愛媛CATV 専務取締役 白石成人氏
愛媛CATV 専務取締役
白石成人氏

「4Gはできたので、次は当然5G。『地域にも5G用周波数を割り当ててください』というロビー活動から始めていた」。

こうローカル5Gへの思いを語るのは、愛媛CATV 専務取締役の白石成人氏だ。愛媛CATVは、テレビ、インターネット、固定電話はもちろん、無線事業にも力を入れてきた。2008年に地域WiMAXの事業、2014年にはMVNOとしての事業もスタートした。4Gを用いた地域BWAについては有線と同等のエリアカバーを実現できており、その基地局数は現在90局近くに及ぶ。「ケーブルテレビ局としての生き残りをかけて無線事業を展開していくという方針のもと、取れる周波数は全部取ってきた」

同社は今年度、ローカル5G関連に1億5000万円を投資し、基地局を県内8カ所に整備する。そのうち瀬戸内しまなみ海道と愛媛県産業技術研究所の2カ所で、すでにローカル5Gの電波を吹いている。瀬戸内しまなみ海道ではローカル5Gをまず観光客向けの動画作成サービスの提供に活用。産業技術研究所には、県内の企業が5Gを使った実験を行うためのオープンラボを開設する。

しまなみ海道
しまなみ海道


「自営利用というより、ユーザー企業にネットワークインフラとしてサービス提供するのが目的。地域WiMAX、地域BWAではB2Cサービスを提供してきたが、ローカル5Gでは現状、モバイル利用が禁止されているため、B2Cサービスの提供が難しい。そこで今は、ローカル5Gを活用したいユーザー企業に対して『何でもお手伝いしますよ』というスタンスで、B2BまたはB2B2Cで様々な取り組みをしている」

月刊テレコミュニケーション2020年12月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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