日本ユニシスは、他社より一足早く「働き方改革」を推進してきた企業だ。その取り組みが評価され、2018年11月に総務省「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」を受賞した。
同社Techマーケ&デザイン企画本部 クロスTech企画部 働き方改革企画室スペシャリストの石川清信氏は、「デジタルワークプレイスDay 2019」において、自社の取り組みを紹介した。
日本ユニシス Techマーケ&デザイン企画本部 クロスTech企画部 働き方改革企画室スペシャリストの石川清信氏 |
日本ユニシスグループが在宅勤務制度を開始したのは2008年のこと。2017年10月には制度を拡大し、テレワークを全社導入した。その間、2016年に社内のネットワークやシステムを整備するとともに都内にサテライトオフィスを開設、翌年にはフリーアドレスを実施するなど周辺環境も整えた。
テレワークの全社導入に際しては、就業規則やセキュリティポリシーの見直しを図ったほか、経営層の理解を得ることに努めたという。
在宅勤務制度の開始当初は育児や介護と仕事の両立が主な目的だったが、全社員をテレワークの対象としたのは、就業場所の選択肢を広げ、働き方の柔軟性を高める狙いからだ。「様々な施策と併せてメリハリのある健康的な働き方を実現することで、社員の定着率の向上や新規採用の確保を目指している」と石川氏は説明した。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、日本ユニシスの本社がある江東区も会場となるため、大会期間中は最寄り駅などで大変な混雑が予想される。しかし、「オフィスに出社しなくても仕事ができる環境はすでに整っている」(石川氏)と自信を見せた。
社員を対象に実施したアンケート調査では、テレワークの導入について90%が「良かった」と回答。その理由として「通勤の負担から解放される」「業務がはかどる」「心身がリフレッシュできる」などが挙がった。その一方、アイデアを出し合うブレインストーミングなど業務の内容によっては、「かえって仕事がはかどらない」という意見が寄せられた。高齢の社員からは「コミュニケーションに時間がかかる」といった声も聞かれたという。