IoT時代の無線化オフィス――最新技術でトラブル解決、パフォーマンス向上

オフィスLANの主役となっている無線通信。IoT時代を迎えて接続デバイス数がさらに増加する今後、トラブルシューティングの迅速化や安定したパフォーマンスの実現には、AIなど最新技術の活用が不可欠だ。

ノートPCやスマートフォン、タブレットなどのスマートデバイスは、今や業務に欠かせないツールとなっている。これらのデバイスを効果的に活用するには無線LANが不可欠だ。そのため、オフィスの移転やリニューアルを機に、社内のネットワーク環境を全面的に無線化したり、さらに一歩進んで「フリーアドレス」を検討する企業が増えている。社内を無線化すれば、自席に縛られることなく自由に仕事ができるようになり、業務効率化などの成果が期待できる。

ただ、オフィスの無線化が進むのに従い、課題も生じている。1つはトラブルシューティングの複雑化だ。

「43%」――。これは、IT管理者がトラブルシューティングに費やしている時間の割合を示した数字だが、特に無線LANのトラブルに悩まされているというIT管理者は少なくないだろう。

「『Wi-Fiがつながらない』と一言で言っても、原因となるポイントは100以上もある」。シスコシステムズ プロダクト マネージャ、マーケティングの前原朋実氏がこう指摘する通り、無線LAN環境では原因の切り分け作業が有線LAN環境よりも複雑化する。人手でログを収集・分析してトラブルシューティングするという従来型の手法は限界に達している。

求められているのはトラブルシューティングの自動化だが、最新のソリューションを活用すると、かなりのことが自動化できるようになっている。

トラブル原因を手軽に可視化シスコは、ネットワークコントローラー/管理ツールの「Cisco DNA Center」において、アシュアランスという管理機能を提供している。ネットワーク機器から上がってきたログをリアルタイムに収集し、ユーザーやデバイス、アプリケーションのステータスを継続的にモニタリング。ネットワークの問題点を表示できる機能だ(図表)。

図表 「Cisco DNA Center」アシュアランス機能のイメージ
図表 「Cisco DNA Center」アシュアランス機能のイメージ

例えば、あるユーザーから「Wi-Fiがつながらない」というクレームがあったとしよう。「アシュアランス機能の一番の特徴が、ユーザーIDを入力すると、そのIDに紐づいた問題(イシュー)リストが出てくること。それを1つ1つクリックしていくことで、『実は無線ではなく、スイッチのACL設定がおかしかった』など、問題の詳細が分かる」(前原氏)

ユーザーからクレームが来る前に、プロアクティブに問題解決できるようにもなる。DNA Centerは、ネットワークの状況を常に監視し、機器ごとの状態をスコアリングする機能も備えているからだ。

例えば、「無線のスコアが低いので調べたところ、『APが何度も再起動を繰り返していた』といったことがユーザーからクレームが来る前に分かる」と前原氏は話す。

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